志麻くんとなつやすみ。【志麻】ver.2021

女の子の日【8月11日】 ページ14

「A〜」

彼女の名前を呼ぶと寝室から今にも死にそうな声が聞こえる。

「ん〜？」

昨日から始まった月イチのアレで苦しんでいるA。
自分には理解することのできない痛みに苦しんでるんだろうなと思うだけで、なんだか自分は頼りないと感じてしまう。

「まだお腹痛い？」

「いだい〜」

半泣きで話すAにどうしたらいいかわからなくていつも通り温かいものを用意したりすることしかできない。
だから部屋から出ようとすると

「どこいくん？」なんてかわいい声。

「スープとか作ろかなって…」

「こっちきて…？」

えーかわいいんですけど！！

「来てほしいん？」とニヤニヤしながら彼女の元へ近づく。
そのまま布団の中に入って小さな身体をギュッと抱きしめた。


「頑張ってくれてありがとう」

「ん〜…おながいだい…」

「痛いよなぁ…何してほしい？」

「おなか…」

彼女は俺の手を掴んで自身のお腹に手を当てさせた。

「こんなんでいいん？」

「…これでいい…」

「一生やったるわ」

どんどん辛そうになっていく彼女の呼吸。
楽な体勢を探そうとして動き回る姿。

わかってあげたいけどわからない痛みにもがいている彼女は強いと思った。

それから時間が経って動きが止まったA。
痛みが引いたのかなとか勝手に思ってお腹に回した手をゆっくり上下に動かした。
それから頭を撫でて布団をかけ直し、彼女の寝顔を見る。

「ありがとうな」

彼女の頬を撫でると安心したような顔に変わった気がして、好きの気持ちが溢れてきた。

そのまま布団から出て寝室のドアを開けたままキッチンへ向かう。
彼女が美味しいと言ってくれるスープを作ろう。



彼女のためならこれからも、なんでもできる



rq:女の子の日

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