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出会ってそうそう、おそ松さんは早速攻撃を仕掛けてきた


酷いなぁ、まだもう少しお話したかったのに



 


広い広いビルの屋上で発砲音だけが聴こえる


辺りはもう暗く、眠りについた東京が何処かのライトアップに照らされ、

綺麗だ。


 

素晴らしい夜だ、
こんな日に貴方と闘えるなんて最高じゃないか。



 



「いやぁ、まさかAさんが『S』だったなんてなぁ〜」



 



発砲しながらおそ松さんは言う



 



『え、気付いてなかったんですか?
酷〜い。』



 



その言葉に対して私も返す



 



「そりゃあ勿論。」



 



『私は最初からおそ松さんの事、気付いてましたけどねぇ。』



 



すると突然、おそ松さんが止まった


どうしたんだろう、降参する?



あぁ、そんな顔で此方を見ないで


胸が痛むから、さ。



 



「最初からって、…。あれは全部…


『演技』だったのか…、!?


あの言葉も…、俺に同情した振りをして…騙してたのか、!?」



 



痛い所を突かれた、困ったもんだ。



嘘はなかった。


「あの言葉」は騙そうとして言った訳じゃない
ただただ、本心だ。



けど、本当の事を言ったらどうなる?


おそ松さんはきっと__



 



『えぇ、そうですよ。
ずっとずっと騙してました。

ごめんなさい。』



 



ニコリ、と笑ってみせた

大丈夫、ばれてないみたいだ



おそ松さんの身体が震えているのが分かる

めちゃくちゃ怒っていらっしゃるんだろうなぁ。



 



「俺はずっとあんたにッ…!!!」



 



殺気のある眼で此方を睨む


その眼すら格好いい、
と思ってしまう私はかなりの重傷だろう。



ここいらで一つ、話をしようか。



 



『どーせ今日で最後ですし、聴いてくれません?

不思議なおとぎ話を__』



 



【昔々のとある女の子の話】

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作者名:キヤラメル | 作成日時:2019年9月2日 19時

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