【テニプリ】聞く耳もたらすーその4【男主】

窮鼠なれど王を噛めーその31 ページ25

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「……………あの、跡部様…」


「んー？」


「そろそろ、腕を…」


離して下さいませんか。
そう続けようとして、先に出たのはあくびだった。


「なんだ、お前眠いのか。」


跡部様が俺の顔をのぞき込む。
そういえば俺、寝れなそうだったから屋上に来たんだった。
それよりも跡部様に向かって大あくびなんて失礼だと思い直して慌てて口元を隠した。


「もともと、ここに来たのは眠気を出そうとしたからなので……すみません、」


「今は…なんだ、まだ10時か。まぁ眠いってんなら仕方ねぇ、戻るか。」


そう言った跡部様と一緒に、俺は屋上を後にした。


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跡部様に部屋まで送って貰っておやすみなさいをして、戻っていない観月さんをぼーっと待っていると、携帯が鳴った。

…ピリリリリ……ピリリリ…


「お、奏時からだ。」


久々の親友の名前に、俺はすぐさま電話をとる。


「もしもし！奏時！？」


「おう、A。元気？」


「めっちゃ元気！」


弾んだ俺の声にすこし笑う声が電話越しに聞こえる。


「ならよかった。どう？合宿は。」


「いろいろあったよ。あのな…」


俺はこの三日間の事を奏時に全て話した。
最後にそれと、と付け足してにっこり笑って言った。



「俺、お兄ちゃんが出来たんだ。」




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