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はじめくんもしもシリーズ 1-2 ページ37

彼女が斎藤に向かってお辞儀してくる。慌てて斎藤もかえすと、彼女はそのままバルコニーを出ていってしまった。


これは夢だったのだろうか?月の精霊が地上に降りてきたに違いない。美しいあの人をずっと見ていたい。 後を追いかける。バルコニーから出たところで花瓶が目に入った。斎藤はその中から愛らしいピンク色の薔薇を選び取り、彼女に声をかける。


「姫君、花を落とされました。」


彼女は振り向きその薔薇をみとめると、


「それはわたくしではありませんわ。」


鈴を転がしたような愛らしい声。斎藤の心は震える。


「俺にはあんたから落ちたように見えた。ほら、あんたに良く似合う。」


そう言って彼女の髪に花をさす。


「まぁ...では拾っていただいてありがとうございます。えっと...お名前は?」


「斎藤だ。」


「ありがとうございます、斎藤様。また機会がありましたらお会いしましょう。」


優雅に微笑み、一礼し、彼女は去っていく。もちろん彼女も自分が落としたものではないことを知っている。このあたりの地域の風習で男性は気になる女性に、様々な種類の花が入ってる花瓶から、自分の思いをあらわす花言葉を持つ花を選び送るのだ。受け取るか受け取らないかは女性の自由で、その姫はいつも受け取っていなかった。


他の人より少し早くダンスパーティーを後にした姫は馬車の中でピンクの薔薇を見て微笑む。なんとも斬新な渡し方だった。それが彼女の心をくすぐったのだった。


「美しい少女...ね、花言葉。」


彼女の後ろ姿を柄にも無くポーっと見つめていた斎藤は沖田が隣に来ていたことも気づいていなかった。


「総司?!...っ少しキ、キザだっただろうか?」


と思いっきり照れている斎藤に、呆れた目を寄越し、沖田は言う。


「君ってさほんと役職間違えたよね。王子なんてキザなことやるのが仕事なの。分かる?」


解せぬ...。だがあの時は勝手に身体が動いて、勝手に口が動いてた。やはり自分も王子だからキザなのだろうか...?


「いいよ、深く考えなくて。でも、おめでとう!君にも漸く好きな子ができたんだね!」


「す、好いているだと?!いや、そのような...」


どんだけ初なのさ。そう哀れに思いながら沖田は隣の幼なじみを見る。でもなんであれ彼は一歩踏み出したのだ。彼女人気だから早く行かなきゃとられるよ?声をかける。


斎藤は彼女の出ていった先を見つめながら、うむ...。と気のあるのかないのかも分からないような返事をした。

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雛月のえる(プロフ) - いえいえw書いて貰うのに急かすのは性に合いませんのでw先に斎藤ようこちゃんさんのリクを優先しても構いませんので!!更新頑張れー (2015年1月13日 15時) (レス) id: b493613181 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - 私の方こそありがとうございます〜。いつも楽しみです。♪ (2015年1月13日 8時) (携帯から) (レス) id: 29bc6add98 (このIDを非表示/違反報告)
リリーラテ(プロフ) - 斎藤ようこちゃんさん» そう言って頂けて嬉しいです!コメントいつもありがとうございます♪ (2015年1月13日 8時) (レス) id: 08492bea53 (このIDを非表示/違反報告)
リリーラテ(プロフ) - 雛月のえるさん» ありがとうございます!どのくらいお時間いただくことになるか分かりませんが、よろしくお願いします!m(_ _)m (2015年1月13日 8時) (レス) id: 08492bea53 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - 斎藤さん最高です。 (2015年1月13日 8時) (携帯から) (レス) id: 29bc6add98 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リリーラテ | 作成日時:2014年10月9日 19時

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