独戦 3 ページ32
『かはっ！』
一瞬何が起こったのか理解できなかった。
視界が白く染まり、大きく振り上げたその刃はガルボロスに届くことはなかった。
横からの体の芯まで響く衝撃。
そのまま近くの木にぶつかり、枝を折り、そして地面へと落ちる。
星がちらつく視界で前を向く。
まず目に入ったのは先程まで対峙していたガルボロス。
そしてその奥。
鮮やかな水色。
『に……2体目…』
そこにはよく似ているが別の個体のガルボロス。
まさか2体目が出てくるとは私もついていないのか…
恐らくあいつが攻撃してきたのだろう。
このままではいけないと思い立ち上がる。
＿ズキッ
電流のような痛みが走り顔をしかめる。
纏っていた服のあちこちが裂け、そこから覗く素肌には赤く血が滲んでいる。
(あぁ、大切な服が……)
いつの日か、譲り受けたこの服。
亡き妻の形見だと言って渡されたもの。
それが見るも無残なことに破け、汚れてしまった。
枝にぶつかったのが悪かったのだろう。
初めて感じる暗い感情。
怒りと悲しさ。
そしてもう一つ。
背後に迫る死。
ここでの敗北は直接それに繋がる。
軋む体を奮い立たせて立ち上がる。
あちこちがズキズキと脈打つがそんな事に構ってはいられない。
2体のガルボロスはその鋭い視線を小さな外敵に注ぐ。
その視線を感じた途端、体は勝手に駆け出していた。
言い様のない感覚がそうさせた。
耐え難い程のおぞましい感覚。
嫌だ……何が…？……わからない……怖い。
だがその時私の頭には逃げるということが浮かばなかった。
足がすくむかのような重圧が、私をそうさせた。
そして
＿ユキナサイ
そんな言葉が頭に響く。
激しい頭痛と重圧、そしてはっきりしない意識。
だがそれとは裏腹に私の体は敵を倒すべく動いた。
(…………排除シ……なイ…と…)
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雪ごおり - (☆∀☆)メタ様カッコいいです…w頑張ってください！！ (2020年6月4日 10時) (
レス) id: a181824ba1 (このIDを非表示/違反報告)
渚 - ふくしあさん» 面白い！これだけ長く続くお話は濃いですねー (2019年7月29日 18時) (レス) id: 88dd243b5a (このIDを非表示/違反報告)
ふくしあ(プロフ) - すぴやなさん» ありがとうございます(*´ω｀*) (2018年4月2日 18時) (レス) id: 295c39c500 (このIDを非表示/違反報告)
すぴやな(プロフ) - d(´∀｀*d){ｲｲﾈ (2018年4月2日 17時) (レス) id: 55e82045e4 (このIDを非表示/違反報告)
ふくしあ(プロフ) - みつるんさん» ありがとうございます！そのように言って頂けて嬉しい限りです(*´∀｀)これを糧にこれからも頑張りたいと思います (2018年4月2日 15時) (レス) id: 295c39c500 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふくしあ | 作成日時：2017年10月6日 16時
