独戦 ページ30
森に入ってから結構な時間が経っており、
私の持つ袋の中には回収された糸が所狭しと詰められている。
そろそろ戻ろうか
そう、話していたときだった。
＿ズンッ
『？！』
地響きとともに感じたのは重量のあるプレッシャー。
その大きな何かはこちらへと向かってきている。
明らかに生物の気がなさすぎる。
何か異常があったに違いない。
そのことになぜ気づかなかったのだろう。
だが後悔してももう遅い。
薙刀を手に取り、神経を研ぎ澄ませて振動の方向を探る。
すると、そいつはすぐに現れた。
「ウォーターガルボロス！なんでこんなところに！」
水色主体の体色に大きな背中のとさか、そして牙。
その両目はこちらをしかと捉える。
走って逃げ切れるだろうか…
いや、一見鈍重そうだが、相手の情報がない今無闇に背を向けるのは危険だろう。
横目でジーナさんを伺うと緊張した面持ちで現れたモンスターを睨んでいる。
『ジーナさん、走って下さい』
そう言って手に持っていた袋を彼女に渡して両手で薙刀を構え直す。
「あんた、まさか！」
『適当に時間を稼いだら私も逃げます。行って下さい』
「そんなことできるか、ほらAも！」
『大丈夫ですから』
そう、強く冷静に返す
するとジーナさんは私に応じる気がないことを悟り、
「絶対戻ってくるんだよ！」
その言葉に頷くと彼女は村の方向に走り出した。
様子を伺っていたウォーターガルボロスの目は背を向けて走り出した物へと移る。
『こっちだ！』
その注意を引き付けるように声を張り上げ、真っ正面から突っ込む。
一気に間合いを詰めて横に薙ぐ。
しかし、ガルボロスは突っ込んできた私に対して後ろに引いたためにその一撃は浅い。
だがその一撃はモンスターの怒りに火を着けるには充分だった。
一回、二回と軽く飛び上がり、三回目で大きく飛び上がり私を押し潰そうと頭上に迫る。
それを横っ飛びにかわして切りつける。
縦に、横に、その太刀筋はウォーターガルボロスの水色の体に吸い込まれる。
＿ガァ！！
牙を剥き出しにして噛みつく。
だがそれよりも速く後退していたためその牙は空を切るのみ。
(いける……)
適当に時間を稼いで逃げるよりも、ここでやってしまった方が良いだろう。
ここはそれほど村から遠くない。
こんな危険なモンスターを放っておいたら何が起きるかわからない。
ならば…………
(私一人で…倒す！)
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雪ごおり - (☆∀☆)メタ様カッコいいです…w頑張ってください！！ (2020年6月4日 10時) (
レス) id: a181824ba1 (このIDを非表示/違反報告)
渚 - ふくしあさん» 面白い！これだけ長く続くお話は濃いですねー (2019年7月29日 18時) (レス) id: 88dd243b5a (このIDを非表示/違反報告)
ふくしあ(プロフ) - すぴやなさん» ありがとうございます(*´ω｀*) (2018年4月2日 18時) (レス) id: 295c39c500 (このIDを非表示/違反報告)
すぴやな(プロフ) - d(´∀｀*d){ｲｲﾈ (2018年4月2日 17時) (レス) id: 55e82045e4 (このIDを非表示/違反報告)
ふくしあ(プロフ) - みつるんさん» ありがとうございます！そのように言って頂けて嬉しい限りです(*´∀｀)これを糧にこれからも頑張りたいと思います (2018年4月2日 15時) (レス) id: 295c39c500 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふくしあ | 作成日時：2017年10月6日 16時
