379話 怒り ページ1
湊「A?起きて。」
A「無理…あと5分…。」
湊「今日修くんと会うんでしょ?」
A「いや…マジ眠い…。」
ウィンターカップが終わった直後。
俺は前留学していたところから正式に来ないかと言われアメリカに再び来た。
湊も湊で洛山から転校し俺についていくと言うからアメリカで一緒に住んでいる。
その家は修が住んでいるところからも近くて結構頻繁に会っている。
今日会うのは、日本である試合が行われるから。
Jabberwockと俺たちの一つ上の笠松さんとか今吉さんたちのチーム、Strkyがやるのが放送される。
それを一緒に見ようという話をしていた。
ピーンポン
準備をちょうどし終わったぐらいにチャイムが鳴り、修が俺たちの家に来た。
湊「あ、修くんじゃない?」
虹村「お邪魔します。」
A「おはよー。」
湊「おはよう。」
テレビをつけると、早速試合会場の様子が放送されていた。
ストバス会場は熱気に溢れていてそれがこっちにも伝わってくる。
Jabberwockはアメリカでも人気なストリートバスケのチームで、大人顔向けのスキルを持ってる。
でもあまりいい噂は聞かない。
湊「あ、樋口さん!」
A「笠松さんがナッシュとマッチアップか…。」
虹村「Strkyのみんなはもちろん強い。だけどJabberwockとだったらどうなんだろうな。」
ピーッ
試合開始を告げる笛が鳴り、まずJabberwockがボールを取った。
そしてユニフォームの下にボールを隠したり宮地さんに当てたりと攻撃的なプレーをし続ける。
ストバスで、こういうプレーをするのはかっこいいと言われる。
でもJabberwockはそれしかしてない。完全に、バカにしている。
観客の雰囲気も変わってきた。
試合は86-6。
Jabberwockの力は圧倒的過ぎた。
笠松「…あざす。」
笠松さんがナッシュに握手を求め、記者がインタビューをしに近づくとナッシュは髪をかき上げながら不敵な笑みを浮かべた。
記者「今日の試合、いかがでしたか?」
ナッシュ「そうだな…今回の試合で改めて思ったよ。お前らを見ていると心底反吐が出る。……この国でバスケごっこしているやつら全員、今すぐやめるか死んでくれ。」
そして笠松さんの手に唾を吐き、Jabberwockの人たちは高笑いしながら帰っていく。
カメラは会場にいる人たちの顔を映し出した。
みんな怒りの表情を浮かべている。
それはもちろん、俺と、横にいる修と湊も。
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作者名:雪 | 作成日時:2020年3月21日 2時