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◇第12話◆ ページ13

A「……」

トビ「てっきりもう死んでいたかと思っていたが…」


Aはすっかり光を失くした目でトビを見上げた。


A「…オビト」

トビ「先生と関わりがあっただけにやはりオレを知るか。まあ、今の貴様ごときでは月の眼計画を阻止することはできないだろうな」

A「…そんなこと、どうでもいいよ」


オビトは目を見開いた。Aは憔悴した顔に薄い笑みを浮かべた。


A「ねえ、まだ…?まだ、わたしは…“死ねないの”…?」


Aは腕を動かした。すると、鎖が弱々しく揺れた。


A「ねえ、早く…わたしを殺してよ。早く殺して…?生きてることにはもう疲れた…。早く死にたい…」

オビト「……」


オビトは素早くクナイを取り出し、Aを刺そうとした。


が───


A?「この子を殺すことは…僕が許さない」


落ち着いた声が響き、オビトは目を細めた。


オビト「…四尾か」

四尾「僕の名前は懶。Aは殺させない」


懶に身体を所有されているAは蒼く染まった瞳でオビトを睨みつけた。


オビト「…尾獣の分際でAに便乗したか」

懶「僕のことはいくらでも悪く言えばいい。だけど、Aは別だ」


ミシミシ…と音を立てて鎖に亀裂が入る。


オビト「……」

懶「僕の力ならおまえを殺すことはできる。だけど…僕が力を行使すればAが傷つく…」


懶は目を伏せて静かに身を引いた。


懶「だから…僕を封印するまで抵抗するつもりはない。時が来るまでAには手を出すな」


オビトは目を細めた。


オビト「…いいだろう。いずれ貴様は死ぬ。せめて封印されるまで大人しく自分の存在理由に絶望していろ」


オビトは冷たい言葉を残してその場を去った。


懶「……A、ごめんね。でも、大丈夫だよ。僕はもうすぐ死ぬから……。僕が消えれば…君は自由になれる……」


懶は俯いた。


懶「ナルトくんなら…きっと、君を幸せにしてあげられる……。だから、僕は要らない……」


透明な雫が、ゆっくり零れ落ちた。


☆・.*。


覚悟なら最初からできていた。

自分は消えなければならないことなんて、はじめから知っている。

だから、迷いなんてなかったはずだった。

だけど……今更になって、気づいた。

僕は、君が好きなんだってこと。

あの、君と仲がいい男の子に嫉妬していたのは気のせいなんかじゃなかった。

つらかったから、

哀しかったから、

気づかないフリをしていたんだ………。


.

.

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ヒカリ - この小説すごく続きぐ気になります。頑張って下さい (2015年3月2日 18時) (レス) id: afd4375f65 (このIDを非表示/違反報告)
おにぎりん - ラビさん» ありがとう^^ (2013年11月12日 6時) (レス) id: 4b255320f4 (このIDを非表示/違反報告)
ラビ(プロフ) - もし、何か小説書いたら教えてください。私が最初の読者になりますよ^^ (2013年11月10日 20時) (レス) id: 18bffa24f1 (このIDを非表示/違反報告)
おにぎりん - ラビさん» 見ても何にもないですよ。それに時間の無駄ですよww (2013年11月10日 19時) (レス) id: 4b255320f4 (このIDを非表示/違反報告)
ラビ(プロフ) - そうだったんですか・・・見て見たかったです^^ (2013年11月10日 18時) (レス) id: 18bffa24f1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ルナ | 作成日時:2013年9月22日 20時

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