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--- You side
「わ！すご！」
末「ええやろ、俺が一番好きな場所」
有名な夜景スポットとは違って雑草とかも生えてるけど、その代わりに周りには誰もいなくて、静かで素敵な場所やった。
末「いつかAちゃんと来たいと思っててんな〜」
なんでか分からんけど泣きそうになって、返事もできひんし顔を見ることもできひん。
末「ははっ、なんやねん、もー(笑)」
わたしの顔を覗き込んで大きな声で笑った末澤さんは、そっと私の腰を抱いた。
またふわっと甘い香りがする。
末「ほんまはさ、明日からまた仕事やしご飯食べて帰ろうと思っててんけど、本気で口説いてって煽られたから急遽な(笑)」
「なるほど…？」
こうやって並ぶとなんだかんだ彼の方が背が高いし、腕とか手の骨格とか首筋とか、そういう細かいところに急に男を感じてしまって。
末「緊張してる？」
「そりゃ、もう…」
末「くっ付いてんの嫌？」
「………そんなこと聞かないでください」
末「なんや、かわいないなぁ(笑)」
あ、ちゃんと愛されてんなぁって、不思議とそう感じた。
「末澤さん」
末「ん？」
「今日、好きって言ってくださって嬉しかったです。でももうちょっとだけ待っててください。多分、裏切らないんで。保証はないですけどね(笑)」
末「最後のひと言が気になるけど(笑) それがAちゃんのいまの答えやってことやんな」
「はい」
末「ゆっくりでええよ、ずっと待ってるから。」
真っ直ぐに目を見てそう言ってくれて安心できた。
自分の気持ちが整理できたらまたちゃんと話そう。
照れくさそうにしながら優しく笑う末澤さんに、少しだけ身体を寄せた。
帰りは家の前まで送ってくれて、別れ際に『最後にチューしとく？(笑)』とか言われたのを一蹴して。
じゃあその代わりにって手の甲にキスを落とされた。
今日の色んなことを思い出す。あんな甘々な末澤さん知らんかった。
好きやで、そう言われたのも嘘じゃない。
「はぁ、仕事行きたくなさすぎる…」
ずっと今日が続けばいいのにな、なんて。
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作者名：きうい | 作成日時：2022年4月23日 9時
