同期の親友 ページ37
--- Ken side
小「おはようございまーす」
「おはよー」
小「うわっ、びっくりした、来んの早ない？」
「まぁね、気分よ」
気分ではよ来るとか聞いたことないんやけど。
というか、正直顔を見た瞬間に分かった。昨日なんかあったんやろな。
小「おまえ今日の昼休みは事情聴取やからな」
「そうなるよなぁ(笑)」
ほら、なんか嬉しそうにしてる。
自分ではそんなつもりなさそうなところがちょっと腹立つな。
ちらっと大晴の方を見ると、朝から末澤さんと楽しそうに話してた。
そっちもそっちで距離縮めてんのややこしいねん。
とりあえず午前の仕事をちゃちゃっと片付けて、12時のチャイムが鳴った瞬間にAと大晴を連れて会社の近くのファミレスに入った。
「小島くんの勢いがすごいんやけど(笑)」
福「昨日のLINEもすごかったもん。見て、バリうるさかった(笑)」
「うわ、めっちゃ心配されてる、親やん(笑)」
小「ちょぉ大晴見せんといてや、恥ずいからわざわざ個人で言うてんのにさぁ」
福「あははっ、ちょっとだけやし許して(笑)」
わりと本人には見られたくないことも大晴には全部話してるからな。
まぁ、ギリ見られても大丈夫な部分しか見せてないみたいやしええか。
福「で、A昨日どやった？楽しかった？」
「あーうん、楽しかったよ、ふつうに」
ふつうに、そう付け足すわりにはやっぱり相当楽しそうにしてる。
もうな、分かんねん。ずっとAのこと見てきたから。
末澤さんがこいつのことを同じように思ってるのも分かってる。
大晴が頑張って色々聞いてるけど、行き先とかめちゃめちゃデートやん。俺にはできひんような大人でお洒落なデートコース。そもそも2人で出かけたことないけど。
大晴も『うわーかっこええなぁ』とか言うてるし。
そんな中で衝撃的な言葉が聞こえてきた。
福「えっ、告白されたん！？」
「ちょ、声でかいって！そうなんよね…」
福「やっば、しかもシチュエーションも漫画みたいやん」
小「えっ！？ほんまに言うてる！？」
「反応おそ(笑)」
あぁ、どことなく嬉しそうでちょっとソワソワしてたんはそれでか。
納得すると同時に、俺の片想いもこれで終わりかと、少し寂しくなった。
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作者名：きうい | 作成日時：2022年4月23日 9時
