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第四話 ページ5

「若武っ!?」

彼の横腹を蹴りとばした瞬間を、眼鏡をかけた色白な少年に見つかってしまった。

「あっ」
「えっ」


あの後、我に返った私は、必死に若武君と上杉君に謝った。





「若武…」
「な、なんだよ」
「……お前さぁ、マジで何してくれちゃってんの。俺のメンツ、丸つぶれじゃんかよ」
「仕方ねーよ、不可抗力だったんだ」
「どこがだよっ!あの子にスライディングしたのはお前だろ。で、パンツ見たのもお前だろ。全部若武のせいじゃんかよ」
「スライディングは偶然。スカートの中が見えたのも偶然。というか、スカートの中が見える位置だったんだ」
「言い訳するなっ!…あぁくっそ、マジでお前と友達辞めたい…、というか、これもう俺保護者じゃんかよ…」
「上杉が親とか、俺の人生死んだようなもんだな」
「俺の子供が若武みたいだったら俺生きていけねーよ」
「なにおっ!」





「あ、上杉。そういやさ、あの子さぁ…」
「あの子がなんだよ」
「アーヤに似てね?」
「……言いたいことは、分からんでもない」
「だろっ!そうだよな、やっぱ俺はいつもアーヤを見てるから、そう言うのがわかるんだ」
「いや、立花の方が断然かわいい」
「え」
「え」
「…上杉、こういうこと言うやつだったっけ」
「……別に」
「まぁまぁ照れるな。恋する男同士の秘密の会話だ。気にするな」
「うるせーよ。ていうか、お前と一緒にするな」
「上杉って一途なんだな」
「うるせーよっ!」
「あ、照れた」





土下座をしそうな勢いで謝っていた上杉君は、若武君に保護者のように怒りながら帰っていった。
上杉君って、すごい過保護なんだな。いいな、私もあんな風に必死に思われてみたい。
そこまで考えて、上杉君が自分の彼氏だったらと想像し、一人で顔を赤らめた。
うん、そんなわけない。そんなわけ…そんなこと、起こるといいな。
なんて、思いながら。

昇降口にある、とげとげした緑色のマット。そこに、まだ新しめの茶色いローファーを落とした。
跳ね返るローファーに足を突っ込む。まだ太陽は出ていて、オレンジ色の光が私と学校を照らしていた。
少し涼しい風が吹く。もうすぐ夏休み。はやいなぁ。
校門に向かって歩き出す。頭の中に残るのは、上杉君のことばかり。

かっこよかったなぁ。王子様みたいで、キラキラしてて。
彼女とか、いるのかな。いるとしたら、奏みたいな美人で可愛い子なんだろうな。

「もう一度、逢いたいな…」

ポツリと呟き、私はまた歩き出した。

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めくりん - とってもおもしろいです!!次の話が楽しみです! (2019年3月21日 15時) (レス) id: 01167813ca (このIDを非表示/違反報告)
ヤナ - 更新首を長くして待っています。う〜んつづきがきになる〜〜( ^ω^ ) (2017年12月9日 14時) (レス) id: 09cbcea487 (このIDを非表示/違反報告)
くるみ - 更新頑張って下さい。 続きがとっても気になります!! (2017年11月18日 17時) (レス) id: abec708dd4 (このIDを非表示/違反報告)
恋檬(プロフ) - こーーーしーーーんーーー!待ってるねー! (2017年10月22日 23時) (レス) id: a868e82522 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - あの・・・・更新頑張ってください!(同じ「桜」として応援しています!) (2017年10月14日 21時) (レス) id: a8498e2e89 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2017年6月4日 18時

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