なな夏目殿ぉー! ページ22
そんなこんなで私と花袋さんは駄弁っていたのだが。ちなみに私がずっと喋り続けて花袋さんはずっとパソコンを見ていた。すみませんね仕事の邪魔して。
いやその、何やら上の方から音が聞こえるのだ。ドォンとかグシャリとか。重い物が倒れたり潰れたりする音。最初は完全に勘違いかと思っていたのだが、花袋さんを見てるとその音がする度に彼が肩を跳ねさせていることに気づいた。
つまり彼は私と同じくビビりなのかもしれない。
『ちょっやっぱ音しますよね、何なんすかこれ』
「な、夏目殿が福沢殿と森殿が此処に来ると云っておったのじゃが……。そんなにお二人は強いのか?」
……あー把握。慥かにあの二人が此処で(現在地:地下)戦ってるっていうんなら、これだけの音がするのも納得だ。
私よりもビビりかもしれない(失礼)花袋さんが、蒲団の中から一人納得してウンウン頷いている私を見上げる。私は彼の行動にぴしりと固まった。いや乙女かよ。いやそんな上目遣いされてもすげえ困るだけなんですが。
取り敢えず、まあお二人はそれはもうお強いので、何て云って誤魔化しておく。二人が私なぞとは比べ物にならないぐらい強いのは慥かだし、この乱闘だって多分そろそろ終わるはず。
……あれ、この戦いってどっちが勝ったんだっけ。
ふとした疑問が湧き出て、私は少し首を傾げた。慥かどちらかが勝ったはずなのだが、思い出せない。まあこんな些細なことは忘れて良いのだけれど、結果論としてどうなるかぐらいは思い出しておきたいなと思う。
そんなことを考えた直後、先程まで響いていた音がぱったりと聞こえなくなった。私と花袋さんが揃って顔を見合わせる。決着がついたのだろうか。
──と思った瞬間、世界が揺れた。
「どわぁ!」
『うぎゃあ!?』
いや比喩でも何でもなく、正真正銘世界が揺れたのだ。ジェットコースターなどで、丁度一番上に到達した瞬間みたいな感じである。崩落の音が聞こえ、私達はひぃい! と無様な悲鳴を上げながら抱き着きあった。恐怖過ぎる。
そうしてしばらく経った後、私達二人は恐る恐る瓦礫の中から顔を出した。しかしながら、二階建ての洋館だった為その上の方にも大量に瓦礫がある。暗がりから、花袋さんが「な、夏目殿ぉー?」と声を掛けた。いや超へっぴり腰。
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白夜の世界(プロフ) - 織田作さんです。(即答) (2020年9月9日 20時) (レス) id: ad65672360 (このIDを非表示/違反報告)
もーりーふぁんたじー - 白夜の世界さん» またアニメ見たいです……白夜の世界さんの推しは誰ですか?私は……全員ですね! (2020年9月9日 18時) (レス) id: 0e56321508 (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界(プロフ) - もーりーふぁんたじーさん» 一気読みすげえ!!最初と最後の文章力の差が激し過ぎますが、えっ読んでくれてありがとう御座います……最近あんまり人気がないようで悲しいです文スト……アニメ再放送でも何でもいいからやってくれって願ってます……。 (2020年9月9日 17時) (レス) id: ad65672360 (このIDを非表示/違反報告)
もーりーふぁんたじー - 一気読みしちゃいました!応援してます! (2020年9月9日 17時) (レス) id: 0e56321508 (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界(プロフ) - 霧雨さん» コメントありがとう御座います〜〜!!三日毎更新と少し遅いものではありますが頑張っていきたいです……!だけどこの先どうすればいいのか絶賛悩み中です(笑)。 (2020年8月30日 17時) (レス) id: ad65672360 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白夜の世界 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nisui03101/
作成日時:2020年5月1日 17時