349話 ページ3
心配そうに、こちらを見る。
それがとても白々しく思えた。
「ミシアさんとボクたちは」
若武くんが、あたりさわりのない言い方をし、黒木くんが訳した。
「館から一緒に列車に乗りました。それが途中で止まってしまったので、降りて、線路を歩いていたんです」
そいつの目がしだいにするどくなってきている。
「あのぅ、ミシアと最後に一緒だったのは、私です」
若武くんの言葉をさえぎって、立花さんが口をはさんだ。
「２人で滝のそばまで来て、私たち、ちょっとした言い争いをしたんです。ミシアが私をおどしたので、私、夢中でミシアを突きとばして逃げました。それから少しして、ミシアの悲鳴が聞こえたんです。後でその場所に行ったら、ミシアの靴が河の途中に落ちていて、本人はいませんでした。きっと流されていって、滝に落ちたんだと思います。それ以外に考えられないから。かわいそうだけど、死.んでしまったのでしょう。私のせいかもしれません」
そいつの目は、ほっとしたように緊張をゆるめつつあった。
都合のいい証言に安心したのだろう。
「では、警察に連絡しなければ」
その言葉にビクッとした立花さんを見て、そいつはあわてて手をふった。
「いや、あなたを責めているわけではありません。事故かもしれないし」
そう言いながら立ちあがる。
「しかし、まったくなんてことだ。ラングさんが亡.くなったばかりだっていうのに」
信じられないといったように首を横にふる。
「警察が来たら」
そう言いながらそいつは、ちらっと立花さんを見た。
「そのことを証言してもらえますよね」
「もちろんです」
「では、昼食の用意をさせます。お待ちください」
あいつが出ていくと、若武くんが人さし指を立て、みんなを自分の方に招きよせた。
私たちは、いっせいに若武クンに向かって身をのり出す。
「見たか、あの顔。やっぱミシアが死.んだと言っている限り、オレたちは安全なんだぜ」
みんなが同意した。
「昼メシがすんだら、城を見せてくれとかなんとか言って、様子を探ろう。ミシアはぜったい、どこかに隠れているにちがいない。あ、１人は上杉の枕元についていた方がいいな。誰にする？」
本来それは、医学に精通している上杉の役目だからな。
「私、つきそってもいいよ」
立花さんがそう言ってくれたおかげで、スムーズに決まった。
用意された昼食は、パンと、インゲン豆やソーセージ、鶏肉なんかを煮こんだものだった。
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mio - 返信ありがとうございます！あまり無理をしないでガンバってください！！ (2020年3月16日 14時) (
レス) id: 2668335830 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - mioさん» コメントありがとうございます！更新はもうしばしお待ちください。お話は出来てるのですが、打つのが中々…。それでも、皆さんに少しでも早くお届けするため、がんばっております。これからもよろしくお願いします！ (2020年3月14日 14時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
mio - 更新頑張ってください！応援しています！！ (2020年3月14日 14時) (レス) id: 2668335830 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 忍大好きマンＮさん» コメントありがとうございます！皆様の応援を糧に、精一杯がんばっていきます。これからも読んでいってください。 (2020年3月11日 11時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - ももりんごさん» コメントありがとうございます！返信遅くなり申し訳ありません。そこまで言っていただき、本当に嬉しいです。これからもよろしくお願いしますね♪ (2020年3月11日 11時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きょっちー | 作成日時：2020年2月21日 13時
