その3 ページ47
オレとAは全く同じタイミングで茎を出した。
普通よりはかなり速いタイム。
だけど、Aのテクからしたら拍子抜け…。
そう思いながら見たAの茎は明らかに違った。
オレは一回の片結びなのに対し、Aの茎は梅結びになっていた。
オレと同じタイムだったはずなのに…。
勝てないわけだ…。
※※※
昼食を食べてシーツも干して、シーツの第二陣を洗っている間に近所のスーパーまで買い物に。
「今日の夕飯は…、ハンバーグでいい?」
『ええ、それなら煮込んでちょうだい』
「了解」
貴和が玉ねぎやお肉、調味料なんかもカゴに入れていく。
ふと横を見ると、お菓子コーナーに新商品のチョコが。
貴和が他を見ている間に、そっとカゴに入れる。
調味料を入れるときに気付かれ、こちらを見られるが違う方を見て知らんぷり。
貴和はクスッと笑ってそのままにしてくれた。
会計を終えると同じくらいのエコバッグが2つ。
いつもエコバッグが違う大きさだと、どっちがどっちを持つか軽くもめるけど、これなら関係なさそうだ。
1つずつ持って、空いてる手は繋ぎながらゆっくりと帰った。
食材を冷蔵庫につめたら…。
『さあ、大量の洗濯物、一気に取り込むわよ!』
「ラジャ」
シーツやカーテンをどんどん取り込んでいき、最後にレースカーテンを貴和が持ってきてくれた。
『ありがとう、いい天気だったからみんな乾いて』
視界が白くなり、少しして貴和が私にレースカーテンを被せてきたのだとわかった。
私の前に立って笑っている貴和に、その意図を察した私は膝を軽く曲げた。
貴和も笑って、私の顔の前にあるレースをめくった。
目を合わせて微笑んでから、今日だけで何度もした優しい行為をもう一度…。
『ふふっ、結婚式みたいね』
「うん。Aならきっと、素敵な花嫁になるね…」
そう言った貴和の目が深い悲しみの色をしていて、私は貴和にもたれかかった。
『貴和の花嫁でないとお断りよ。違う人の花嫁になるくらいなら、一生なれなくてもいいわ』
貴和は目を見開いてから、私を強く抱き締めた。
貴和の葛藤はきっと、私が想像している以上に辛いものなんだろう。
例え世界を変えてしまうような大きな葛藤でも、私は受け入れるから…。
※※※
シーツはたたみ、カーテンは取り付け直す。
一通りの作業が終わって、オレはハンバーグを作り出した。
最近どんどん上がってる料理スキルのおかげで、もう後は煮込むだけ。
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きょっちー(プロフ) - 翡翠さん» リクエスト更新致しました!これからもぜひ、お気軽にリクエストしてください。ありがとうございました! (2020年6月23日 6時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
翡翠 - 早っ(笑) 了解です。ありがとう (2020年6月22日 21時) (レス) id: 724d0f98c3 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 翡翠さん» 了解しました!おそらくどちらも続編の方で更新となるので、連絡致しましたらそちらへ飛んでください。リクエストありがとうございました! (2020年6月22日 21時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
翡翠 - 忙しい所すみまん。もう1つリクエストさせていただきます。優先順位はきょっちーさんの好きな方で宜しいのですが、清香ちゃんがぶりっこになって黒木君やkz メンバーを驚かせる、というのです。理由やきっかけはお任せします。すみません、宜しくお願い致します。 (2020年6月22日 21時) (レス) id: 724d0f98c3 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 翡翠さん» 了解しました!清香ちゃんのあることから、もしかしたら想像とは違ってしまうかもしれませんが、精一杯書かせていただきます! (2020年6月22日 13時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きょっちー | 作成日時:2019年12月9日 14時