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281話 ページ35

アーケード街には肉屋や果物屋、服屋、宝石屋、お菓子屋なんかが並んでいて、覚えてないのに懐かしい気持ちになった。

「昼メシどこで食う?」

「お前なぁ、食うために来たんじゃないんだぞ」

若武君が上杉の頭を小突いた。

「事件を探せ、事件を。デカいのを」

それで私達は大事件を探してアーケード街を歩いたのだ。

5回も往復したが大事件どころか、小さなものもどこにもなかった。

しかし、事件の種になりそうなものは見つけた。

「ムリだよ、若武」

小塚君がそう言った時、黒木君も気づいていたらしくふっと笑った。

「いや、そうでもない。あれを見ろよ」

こっそりと親指を立てその先で指したのは、1軒のオートクチュールだ。

看板には高級服地、仕立てと書いてある見るからに高級そうな店構え。

その脇に男が一人立っている。

顔つきが険しく痩せ型の中年で、帽子を被っている。

「あの男、さっき若い女性の跡をつけてきたんだ。その女性はあの店に入っていった。男はあそこで出てくるのを待ち構えている」

「よし、俺と上杉、小塚と桜田はここで待機する。黒木、アーヤを連れてあの店に入れ。その女性の様子を探るんだ」

若武君がキビキビと配置を決めた。

私達は男からは見えない建物の影に隠れる。

「桜田、あいつについて何か分かるか?」

『ムリね。帽子で目が隠れてしまってるわ。ただ遠いからはっきりとは分からないけど、そこら辺の男性よりは筋肉がついているわ。それも実践で使うような筋肉が』

「ただの男って訳じゃ無さそうだな。とにかく今は黒木たちを待とう」

暫くして黒木君達が出てきたので、私達もそちらに寄る。

「どうだった?」

上杉に聞かれて、まず黒木君が答えた。

「普通の服屋だ。裏口はなかったから、今にあそこから出てくるはずだ」

立花さんがつけ加える。

「女の人の名前はミシアよ。お金持ちのお嬢様みたい」

瞬間若武君が、あ、と言った。

「もしかしてそれ、これか?」

サイドバッグから畳んだ新聞を出す。

「昨日駅で買って、電車の中で見てたんだけど」

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きょっちー(プロフ) - ゆめさん» コメントありがとうございます!次はシンデレラです。私もKZのみんなと旅行したいものです。これからもお願いします! (2019年12月6日 7時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ(プロフ) - 続きが気になります!更新頑張ってください! (2019年12月5日 19時) (レス) id: 21a29bd71d (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - RiRさん» 返信遅くなってすみません!繰り返し読んでいただいているようで、本当にありがとうございます!駄作者のことまで気にかけていただいて…。これからも応援してもらえたら嬉しいです。 (2019年12月3日 16時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
RiR - とっても素敵なお話をありがとうございますm(_ _)m気づいたら5周目ですww 応援しております。無理のない範囲で私に続きをお恵みください! (2019年12月1日 16時) (レス) id: 6882897af8 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 三毛猫さん» ありがとうございます!ただ今、新企画も企画中ですので、そちらも楽しみにしていただければ嬉しいです。これからもよろしくお願いします! (2019年12月1日 10時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きょっちー | 作成日時:2019年11月30日 15時

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