280話 ページ34
するとやはり若武君と同じくらいだったのが、もうはっきりと若武君を追いこしていた。
「小塚の勝ち」
そう言いながら上杉がやって来て、その後ろから黒木君も顔を見せた。
「若武先生、探偵チームの中で一番のチビになった感想は？」
上杉が若武君の頭を撫でる。
若武君は悔しそうにその手を払い退けた。
「ちっきしょう。リベンジしてやる。すぐ追いこしてやるから見てろよ」
気にしなくていいのに。
「じゃ、事件を探しにいこう」
黒木君が言い、上杉が親指を立てて玄関をさした。
「街に出てみようぜ」
私達はそれぞれに外出届を出してから、寄宿舎を出た。
『小塚君、お父様の研究所に寄ってきたの？』
歩きながら私が聞くと、小塚君は頷いた。
「アルボワにあるんだ。東に50キロほど行ったらもうスイス国境っていう山の中。空気が綺麗で清々しい感じだった。あんな所で毎日研究ができたらいいなぁって思っちゃった」
そんな将来もあるかもしれない。
「アイスクリーム食べない？」
黒木君が言って、赤い日避けを下げた店を指す。
そこは店頭に大きなソフトクリームの看板を掲げたアイス屋さんだった。
「おお、いいじゃん」
若武君がズボンの後ろポケットから小銭入れを出しながら走っていった。
「チョコミント・アイスください」
店員さんは目を丸くしている。
立花さんが傍まで行って通訳している。
「ユンヌ・グラス・ショコマント・スィル・ヴ・プレ」
店員さんはニッコリして、コーンにアイスを山盛りにしてくれている。
「セ・コンビアン？」
値段も聞いて若武君に教えてあげている。
『立花さん、語学のポテンシャルがすごいわね』
「そうだね。ところで桜田は何にする？」
『気分で言えば小豆だけど、無いわよね。あなた選んできて』
「了解」
皆がそれぞれにお気に入りのアイスを手に持って、食べながらアーケード街を歩いた。
ちなみに黒木君が私に選んできたのはレモンだった。
『純粋な疑問だけど何でレモン？』
「初恋の味」
少し黒木君を見上げると、いたずらっぽく笑っている。
『そうね。散歩道でのファーストキスも思い出すわね。あの時のあなたの間抜け顔、かわいかったわよ』
「っ！…やっぱりなかなか桜田には勝てないか」
『頑張りなさい、青少年』
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きょっちー(プロフ) - ゆめさん» コメントありがとうございます！次はシンデレラです。私もKZのみんなと旅行したいものです。これからもお願いします！ (2019年12月6日 7時) (
レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ(プロフ) - 続きが気になります！更新頑張ってください！ (2019年12月5日 19時) (レス) id: 21a29bd71d (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - RiRさん» 返信遅くなってすみません！繰り返し読んでいただいているようで、本当にありがとうございます！駄作者のことまで気にかけていただいて…。これからも応援してもらえたら嬉しいです。 (2019年12月3日 16時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
RiR - とっても素敵なお話をありがとうございますm(_ _)m気づいたら5周目ですww 応援しております。無理のない範囲で私に続きをお恵みください！ (2019年12月1日 16時) (レス) id: 6882897af8 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 三毛猫さん» ありがとうございます！ただ今、新企画も企画中ですので、そちらも楽しみにしていただければ嬉しいです。これからもよろしくお願いします！ (2019年12月1日 10時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きょっちー | 作成日時：2019年11月30日 15時
