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279話 ページ33

PKは先攻が有利。

サッカーKZのメンバーも皆これ以上ないというくらい真剣な顔つきで、誰もが全身汗まみれ。

向こうが3点入れてこちらも3点入れ、最後のキッカーが若武君。

これで若武君がうまくゴールできればこちらの勝ち。

皆が、息をつめて若武君を見つめる。

無言の期待が重圧となって、ずっしりと若武君に伸し掛かる。

しかし若武君にとってそれはエネルギーとなる。

若武君は不敵な微笑みを浮かべて、ゴールの右端に向けて弾丸のようなシュートを放った。

ゴールキーパーはちゃんとその方向を予想していて、そっち側に飛んでボールに手を伸ばしつかみかかった。

しかし若武君のボールはその手を振り飛ばしてゴールに突き刺さったのだった。

「やったっ!」

飛び上がって若武君はパチンと指を鳴らし、メンバーに飛びつかれながら応援団の方に走っていき大声で言った。

「皆喜べ。勝ったぞぉ!」

親善試合の後、交歓会を兼ねた夕食パーティーが開かれた。

若武君は両方のチームからヒーロー扱いをされていた。

本人ももちろんその気で、かなり得意そうにしていた。

その夕食パーティーの最中に金沢誠君を見つけた。

『金沢君久しぶり。覚えてるかしら?』

「えっと、桜田だっけ。あの時はありがとう」

『お礼を言われるようなことはしてないわ。お姉さん、どうなったの?』

「医療刑務所ってとこに入ったよ。でも最近調子いいみたいで、昔の姉さんに戻ってきた気がする」

『それならよかったわ。今は色々な薬が出ているけれど、一番の薬は家族の支えよ。これからもお姉さんと頑張って』

「うん、ありがとう」

※※※

翌日、朝食を食べているとアナウンスで呼びだされた。

【立花彩さん、若武和臣君、上杉和典君、黒木貴和君、桜田Aさん、面会人です。ロビーまでおいでください】

このメンバーを呼びだすってことは、小塚君が着いたのだろう。

ロビーに向かうとやはり、ロビーの椅子に小塚君が座っていた。

こちらを向いて少し手をあげた。

「やあ、元気?」

足元はいつも持ちあるいている試薬の入った黒いバッグが置いてあった。

そして何より…。

「よっ!」

そう叫んで若武君が出てきて、ギョッとしたように立ち止まった。

「お前、背伸びた?」

小塚君はゆっくりと立ちあがった。

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きょっちー(プロフ) - ゆめさん» コメントありがとうございます!次はシンデレラです。私もKZのみんなと旅行したいものです。これからもお願いします! (2019年12月6日 7時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ(プロフ) - 続きが気になります!更新頑張ってください! (2019年12月5日 19時) (レス) id: 21a29bd71d (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - RiRさん» 返信遅くなってすみません!繰り返し読んでいただいているようで、本当にありがとうございます!駄作者のことまで気にかけていただいて…。これからも応援してもらえたら嬉しいです。 (2019年12月3日 16時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
RiR - とっても素敵なお話をありがとうございますm(_ _)m気づいたら5周目ですww 応援しております。無理のない範囲で私に続きをお恵みください! (2019年12月1日 16時) (レス) id: 6882897af8 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 三毛猫さん» ありがとうございます!ただ今、新企画も企画中ですので、そちらも楽しみにしていただければ嬉しいです。これからもよろしくお願いします! (2019年12月1日 10時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きょっちー | 作成日時:2019年11月30日 15時

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