278話 ページ32
『私はフランスの血が入っているので自然に覚えただけですよ。彼には負けます』
「いやいや、君の発音も彼と同じ貴族の発音だ。一人だけでなく二人も出会えるとは。まったく嬉しいかぎりだ」
立花さんはこの話聞けていただろうけど、いいのかしら?
※※※
それから寄宿舎の方に案内され部屋割りがあり、それぞれが充てがわれた部屋に入った。
私はサッカーKZと同じ棟で一人部屋を使うことになった。
荷物を置き必要なものを取ってグラウンドに出ると、練習が始まった。
私は一度校長のもとへ行き、日本から送っておいた荷物を受け取った。
フランスの水は日本と違って硬水で、違和感を感じる人が多い。
だから日本の天然水を送っておいたのだ。
それを使ってスポーツドリンクを作り、休憩時間にタオルと共に渡す。
練習中は記録を取り、ドリンクが無くなったらまた作る。
それを繰り返した。
※※※
サン・フルール奇宿学校チームは、皆背が高かった。
若武君はマークされて囲まれると、ほとんど埋もれてしまっていた。
しかしその中をぶっちぎるように突破し、ゴールに向かう姿はさすがと言うべきか。
そしてそんな若武君にアシストをするのは、大抵上杉だった。
若武君が窮地に立った時には必ず傍にいる。
そしてパスを受け取り味方に回し、若武君がノーマークになってシュートを打つチャンスが来ると、これまた必ずボールをパスして打たせる。
その上杉をフォローしているのは黒木君で、3人のコンビネーションはバツグンだった。
というより上杉と黒木くんの連携か。
若武君はほとんど自分のインスピレーションだけで動いていて、それを見ながら上杉が味方や敵の動きを計算して黒木君に合図を送り、それを受けた黒木君が上杉と役割を分担して、若武君がシュートを打ちやすいように動いている。
実際にシュートをするのは若武君だけど、見方によっては、二人にシュートさせてもらっているようにも見える。
しかし最後のシュートを若武くんに任せるあたり、二人共若武君を信じているのだろう。
1日目はKZの勝ち。
2日目は点取り合戦になって、向こうの粘り勝ち。
3日目は激しいデッドヒートだった。
最後はPK戦となりコイントスの結果、後攻となってしまった。
78人がお気に入り
「オリジナル」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
きょっちー(プロフ) - ゆめさん» コメントありがとうございます!次はシンデレラです。私もKZのみんなと旅行したいものです。これからもお願いします! (2019年12月6日 7時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ(プロフ) - 続きが気になります!更新頑張ってください! (2019年12月5日 19時) (レス) id: 21a29bd71d (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - RiRさん» 返信遅くなってすみません!繰り返し読んでいただいているようで、本当にありがとうございます!駄作者のことまで気にかけていただいて…。これからも応援してもらえたら嬉しいです。 (2019年12月3日 16時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
RiR - とっても素敵なお話をありがとうございますm(_ _)m気づいたら5周目ですww 応援しております。無理のない範囲で私に続きをお恵みください! (2019年12月1日 16時) (レス) id: 6882897af8 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 三毛猫さん» ありがとうございます!ただ今、新企画も企画中ですので、そちらも楽しみにしていただければ嬉しいです。これからもよろしくお願いします! (2019年12月1日 10時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:きょっちー | 作成日時:2019年11月30日 15時