277話 ページ31
高くまで上った所に街があった。
寄宿学校はその中心部。
門から続くケヤキ並木を走ってバスはグラウンドに着いた。
「ようこそ、秀明ゼミナールのみなさん」
待っていた男性達に案内され、私達は礼拝堂に入った。
そこで奇宿学校の校長先生の歓迎の挨拶を受けた。
その後こちらからも代表者が出て挨拶をしたのだが、その代表者は黒木君だった。
緊張している様子もなく微笑みながら唇を開く。
黒木君のフランス語は初めて聞いたが、綺麗な発音の耳に心地いいものだった。
「いやあ、君のイントネーションはじつに美しい。高貴な発音だ。どこで習ったの」
寄宿学校の校長先生にほめられて、黒木君は答えた。
「小さな頃にパリに住んでいたので。もうずっと話さなかったので、さっき急にうちの顧問から挨拶をと言われた時には、ちょっと戸惑いましたが」
控え目に笑った黒木君を、校長先生は大層気にいったようで、もっと話を聞きたいからぜひ夕食をご一緒したいと誘ってその後でこう言った。
「貴族の発音だよ。今、そんなフランス語を話せる人間は滅多にいないね。この国は多民族国家なんだ。正しく美しいフランス語を話す人間はどんどん減っている」
黒木君は少し笑って言った。
「ありがとうございます。でもマネージャーもフランス語を話せますよ」
そう言ってこちらを向くので立って校長先生に向かってお辞儀をし、フランス語で話す。
78人がお気に入り
「オリジナル」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
きょっちー(プロフ) - ゆめさん» コメントありがとうございます!次はシンデレラです。私もKZのみんなと旅行したいものです。これからもお願いします! (2019年12月6日 7時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ(プロフ) - 続きが気になります!更新頑張ってください! (2019年12月5日 19時) (レス) id: 21a29bd71d (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - RiRさん» 返信遅くなってすみません!繰り返し読んでいただいているようで、本当にありがとうございます!駄作者のことまで気にかけていただいて…。これからも応援してもらえたら嬉しいです。 (2019年12月3日 16時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
RiR - とっても素敵なお話をありがとうございますm(_ _)m気づいたら5周目ですww 応援しております。無理のない範囲で私に続きをお恵みください! (2019年12月1日 16時) (レス) id: 6882897af8 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 三毛猫さん» ありがとうございます!ただ今、新企画も企画中ですので、そちらも楽しみにしていただければ嬉しいです。これからもよろしくお願いします! (2019年12月1日 10時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:きょっちー | 作成日時:2019年11月30日 15時