276話 ページ30
私は梅津さんを見つけ傍に寄る。
『梅津さん、久しぶりね』
「久しぶり、桜田さん!」
『学校はどう?』
「凄く充実してる。私の作文、学年で賞をもらったの」
『凄いじゃない!』
梅津さんの顔はとても生き生きしている。
高柳くんのやったことは正しかったのだ。
「隣で写真撮ろう?」
『もちろんよ』
そして写真を撮ってもらってる間に、こそっと言ってきた。
「兄さんとも順調だよ。夏休みに一緒に遊びに行くの」
『よかったわ。兄妹って一生の繋がりだもの。それなら仲良しでいたいじゃない?』
「そうだよね。私兄さん大好きだもの」
その笑顔は普段より少し幼い、妹の顔だった。
※※※
フランスと日本の時差は8時間。
夏は、フランスがサマータイムを採用しているので、時差がマイナス1時間。
成田を発ったのはお昼ぐらいだったけれど、機内で夕方になり夕食を食べて寝ると、あまり時間がたたないうちに朝になり、現地時間ではそれが夕方だ。
「まもなくパリ、シャルル・ド・ゴール空港に到着します」
機内アナウンスがあって、やがて飛行機は下降を始め無事空港に到着。
成田に着いたときと同じようにメンバーを誘導した後、機内の忘れ物チェック。
応援団の分もなので数が多くて大変だ。
飛行機から降りると、バスに乗ってパリ市まで行きそこで一泊。
翌日に列車でサン・フルール市に向かった。
サッカーKZのメンバーは席に座らず、通路の邪魔にならない所に立っている。
このチームでは移動時間が3時間を越えない場合、立つように指導しているそうだ。
私は応援団にも聞こえるように声をあげた。
『次の駅で降りてバスに乗ります。準備をしてください』
※※※
電車から降りて駅を出ると夏の太陽がさんさんと照りつけていた。
パリではそんなでもなかったけれど、やはり南に来るとけっこう日差しが強い。
そこから寄宿学校から迎えにきた2台のスクールバスで学校に向かう。
応援団とKZは別々だ。
駅から離れ山道に入って、ひたすら坂を登り続ける。
窓から見下ろすと下の方には深い谷が広がっていた。
見渡す限り緑に覆われてその間から時々白い河が見える。
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きょっちー(プロフ) - ゆめさん» コメントありがとうございます!次はシンデレラです。私もKZのみんなと旅行したいものです。これからもお願いします! (2019年12月6日 7時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ(プロフ) - 続きが気になります!更新頑張ってください! (2019年12月5日 19時) (レス) id: 21a29bd71d (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - RiRさん» 返信遅くなってすみません!繰り返し読んでいただいているようで、本当にありがとうございます!駄作者のことまで気にかけていただいて…。これからも応援してもらえたら嬉しいです。 (2019年12月3日 16時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
RiR - とっても素敵なお話をありがとうございますm(_ _)m気づいたら5周目ですww 応援しております。無理のない範囲で私に続きをお恵みください! (2019年12月1日 16時) (レス) id: 6882897af8 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 三毛猫さん» ありがとうございます!ただ今、新企画も企画中ですので、そちらも楽しみにしていただければ嬉しいです。これからもよろしくお願いします! (2019年12月1日 10時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きょっちー | 作成日時:2019年11月30日 15時