599話途中貴和Side ページ5
「あ、電池、切れてら」
和典も微妙に人のこと言えないかも。
「小塚、打てよ。文面は、虐.待の可能性はほとんどなし。帰還せよ」
和彦が送信する。
「完了したよ」
それを聞きながら、和典は私たちを見回した。
「そろそろ秀明の時間だ」
日の高さからしても、そうなのだろう。
「上杉、おまえ、時計見ずによくわかるな」
美門が感心したように言う。
「今日の結果については、各自の宿題にしようぜ。考えておくこと」
和臣がいないから、和典が代わりにそう言った。
「じゃ今日は、これで解散」
※※※
貴和side
調査を終えて、オレとAは家に帰ってきていた。
部屋で北森秀雄の事件の記事を読んでいると、下から何かが割れるような音がした。
急いで降りてみると、キッチンで座りこんだAの足元で、紅茶の入ったカップが割れている。
「A、大丈夫?」
近寄ってみると、Aは口元を押さえながら何かをつぶやいている。
『そんなはずない、どうして自分の親にそんな・・・いや、これはただの推理だし、でもこれ以外に考えられない・・・』
正気ではなさそうだし、顔色も悪い。
これは、眠らせた方がいいな。
薬箱からAが以前オレを眠らせるのに使った薬を出し、Aを抱き上げて部屋まで運んだ。
ベッドに座らせ、薬をかみ砕かせる。
しばらくすると、静かに眠っていった。
いったい何に気づいてしまったのか・・・。
Aの推理力は、すべてを見透かしてしまいそうなほど素晴らしいが、その反面、気づきたくなかったことにまで気づいてしまう。
Aが平和に生きるのは、きっと難しいのだろう。
それでも、せめてその笑顔が絶えることのないよう、支えていくから。
その額にキスを送って静かに部屋を出ると、携帯が震えた。
取り出して見てみると、若武からメール。
[上杉から新情報アリ。明日、休み時間、カフェテリアに集合!]
※※※
Aside
休み時間に集合のつもりが、クラブZの説明会が入ってしまい、授業終了後に談話室に集合となった。
談話室は1階にあり、あずき色の絨毯を敷かれた広い空間が広がり、低い丸テーブルがいくつも置かれている。
各テーブルの周りには、おしゃれな形をした1人掛けのソファや、長椅子がある。
どれも革や木でできて温かみがあり、スペースもゆったりと取ってある。
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きょっちー(プロフ) - 翡翠さん» もちろんです!今は少し忙しいので遅くはなってしまいますが、番外編の方にコメントしていただければ、喜んで書かせていただきます!これからもよろしくお願いしますね (2020年8月22日 18時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
翡翠 - 久しぶりに書かせていただきます。しばらく見ていなかったのですが、更新されていて一気に見てしまいました。また仲良くしてくださいますか?無理のない範囲でいいので、コメントやリクエストに答えてくれると嬉しいです。よろしくお願いいたします。 (2020年8月22日 18時) (レス) id: f43e9245c3 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 天愛さん» コメントありがとうございます!テスト等の都合でお休みはもらっても、やめることはありません。むしろ駄作者もこれどこまで続くんだろうと、先が見えてない状態なので…。なので安心して、これからを楽しみにしていただけたら嬉しいです! (2020年8月11日 15時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
天愛 - 早く続きが見たい!!とっても面白いのでやめたりしないでくださいね!更新応援してます!ファイトです! (2020年8月11日 15時) (レス) id: 74d4bab595 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - メロンパンさん» コメントありがとうございます!面白いと言ってもらえる度、駄作者のモチベーションは上がっていきます。これからも、楽しんで頂けるよう頑張っていきます! (2020年8月8日 22時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きょっちー | 作成日時:2020年8月6日 22時