633話 ページ39
「残った5人、上杉、小塚、黒木、桜田、それに立花でやっていってほしい。もしみんなが、解散の道を選ぶなら、それでもいいし」
これは正直予想外。
「質問」
美門が手を上げる。
「オレ、集合をかけられたから来たんだけど、今、名前呼ばれなかった」
和臣は座りながら、わずかにアゴを上げた。
「後で話すから、待ってろよ」
すると貴和も、手を上げた。
「オレも、質問」
私の右隣にいた貴和は、少し悲しげな感じのするその目に、いつもの笑みを浮かべていた。
少し皮肉気で、相手をからかうような微笑み。
「サッカーKZで除名になったんなら、時間が空くだろ。そしたら探偵KZの活動に力を入れればいいじゃないか」
「いや、その時間にやることは、もう決めてある」
和臣は、片手の親指を上げ、その先で自分の胸を指した。
「オレは、前からやりたかったブレイク・ダンスに専念するんだ」
昔やっていたのは聞いたけど、なるほどね。
「美門とユニットを組んで、この夏の中・高校生ダンス大会に出る。もうオーディションの申込書も送ったし。予選まであまり時間がないから急がないと」
丸テーブルをはさんで和臣の正面にいた美門が、椅子から飛び上がりそうになった。
「オレ、全然、聞いてないけど」
「そりゃそうだろ。言ってないもん」
和臣はあっさり答えるが、さすがにそれはどうなの･･･。
「でも今、聞いたんだからいいだろ。後で話すって、そのことだったんだ」
ンな横暴な･･･。
美門はまつげを半ば伏せ、黙りこんだ。
和臣は、美門の方に身を乗り出しながら、脅しつけるように高圧的に言った。
「オレがKZ除名になったのは、美門、おまえのせいなんだからな」
いや、和臣が暴走したせいだと思うけど。
「少しは責任感じろよ。オレの新しい人生に協力するんだ」
その時、和典が手を上げた。
「オレも、質問」
和臣は、しかたなさそうにうなずく。
和典は胸の前で腕を組み、体を後ろに倒して椅子の背にもたれかかった。
「若武、おまえさ」
そう言いながら縁なしメガネの向こうの切れ上がった目に、冷ややかな光をきらめかせる。
「逃げてんじゃねーよ」
和臣は、ガタッと椅子の音をさせて立った。
「誰が、逃げてるって？」
にらみつけられて和典は、ふっと笑う。
「お、ま、え、だ！」
瞬間、和臣は片手をテーブルにたたきつけるなり、それで体を支えながら飛び越えて和典の脇に降り、その襟元をつかみ上げた。
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きょっちー(プロフ) - 翡翠さん» もちろんです！今は少し忙しいので遅くはなってしまいますが、番外編の方にコメントしていただければ、喜んで書かせていただきます！これからもよろしくお願いしますね (2020年8月22日 18時) (
レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
翡翠 - 久しぶりに書かせていただきます。しばらく見ていなかったのですが、更新されていて一気に見てしまいました。また仲良くしてくださいますか？無理のない範囲でいいので、コメントやリクエストに答えてくれると嬉しいです。よろしくお願いいたします。 (2020年8月22日 18時) (レス) id: f43e9245c3 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 天愛さん» コメントありがとうございます！テスト等の都合でお休みはもらっても、やめることはありません。むしろ駄作者もこれどこまで続くんだろうと、先が見えてない状態なので…。なので安心して、これからを楽しみにしていただけたら嬉しいです！ (2020年8月11日 15時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
天愛 - 早く続きが見たい!!とっても面白いのでやめたりしないでくださいね!更新応援してます!ファイトです! (2020年8月11日 15時) (レス) id: 74d4bab595 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - メロンパンさん» コメントありがとうございます！面白いと言ってもらえる度、駄作者のモチベーションは上がっていきます。これからも、楽しんで頂けるよう頑張っていきます！ (2020年8月8日 22時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きょっちー | 作成日時：2020年8月6日 22時
