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「若武たちに連絡してさ、」
そう言いながら美門は、北森家のほうを振り返った。
「引き上げさせた方がいいんじゃないの。無駄だからさ。誰か連絡に行ってよ。オレ、あそこは苦手。下水がつまってて、臭くってさ」
瞬間、和彦が思い出したように言った。
「そうか。下水がつまってるんだ。あのハート虫だよ」
和彦は、生き生きと目を輝かせる。
「下水がつまってるから、あんなに大量発生したんだ。虫がいるのは家の中だから、たぶん汚水枡で発生したのが下水管を通って家の中に入ったんじゃないかな」
和典が、パチンと指を鳴らした。
「そこがつまってるから、トイレが使えないんじゃね？」
そうなれば、お風呂や洗濯もダメになって辻褄が合う。
「だけど」
和彦が不思議そうな顔をする。
「汚水枡なんて、自分で簡単に掃除できるんだよ。どうしても自分でできなかったら、専門業者を頼めばいいんだし」
「お金に困ってるから、業者は頼めないと思う」
『息子にお金がなくても、父親のお金があるでしょ。下水がつまって、トイレを使えなくなるほどなら、多少出費がかさんでも、業者を頼むわ』
「啓太郎の金って、どれくらいあるんだろ」
そう言ったのは和典だった。
「啓太郎は、会社を退職って書いてあったから年金生活だよな。息子を養えるくらいの年金、もらってるんだろうか」
「ん、そこ、問題だな」
「そうだね。黒木に言って、調べてもらおうか」
「いや、そこまでは必要ないんじゃない？あの家、周りに比べて小さかったし、安い車だし、さほど高給を取ってたとは思えない」
「となると、たいした年金も、もらってないってことか」
『けど、車を維持できてるんだから、そこそこは、もらってるのよ。なのに、なんで業者を呼ばないのかしら』
業者を呼べない理由がある、とか？
「とにかく、若武たちを引き上げさせれば？」
美門が提案すると、和典が携帯を出し、立花さんがあわてて止めた。
「誰かが直接、行った方がいいよ。忍びこんでるんだから、着信音が鳴ったらマズいもの」
和典は、信じられないといったような顔で立花さんを見た。
「着信音なんか、切ってあるに決まってるだろ。ヌケてるおまえじゃあるまいし。そういえば、さっき美門も同じこと言ってたっけ？美門、おまえって、微妙に天然系か」
立花さんの隣で、美門がくすっと笑った。
「かもしんない」
『頭パッパラパー』
殴りかかってきた美門に応戦していると、携帯を開いた和典が言った。
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きょっちー(プロフ) - 翡翠さん» もちろんです！今は少し忙しいので遅くはなってしまいますが、番外編の方にコメントしていただければ、喜んで書かせていただきます！これからもよろしくお願いしますね (2020年8月22日 18時) (
レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
翡翠 - 久しぶりに書かせていただきます。しばらく見ていなかったのですが、更新されていて一気に見てしまいました。また仲良くしてくださいますか？無理のない範囲でいいので、コメントやリクエストに答えてくれると嬉しいです。よろしくお願いいたします。 (2020年8月22日 18時) (レス) id: f43e9245c3 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 天愛さん» コメントありがとうございます！テスト等の都合でお休みはもらっても、やめることはありません。むしろ駄作者もこれどこまで続くんだろうと、先が見えてない状態なので…。なので安心して、これからを楽しみにしていただけたら嬉しいです！ (2020年8月11日 15時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
天愛 - 早く続きが見たい!!とっても面白いのでやめたりしないでくださいね!更新応援してます!ファイトです! (2020年8月11日 15時) (レス) id: 74d4bab595 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - メロンパンさん» コメントありがとうございます！面白いと言ってもらえる度、駄作者のモチベーションは上がっていきます。これからも、楽しんで頂けるよう頑張っていきます！ (2020年8月8日 22時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きょっちー | 作成日時：2020年8月6日 22時
