617話 ページ23
KZはチームであり、仲間だけど、その中でいつも相手の実力を見極めようとしている。
馴れ合いにはならず、常に相手の評価をつけ直す。
そして常に認めさせようとしているから、このチームは素晴らしい実力であり続けられるのだろう。
「オレだったら…そうだな」
和典は、じっと空中をにらみすえながら腕を組む。
「いくらピンピン・コロリを望んでいても、足腰が立つ間は、死.にたいとは思わないはずだ。
コロリを望むような老人の多くは、寝たきりだろう。
人工呼吸器をつけている可能性が大だ。
事前に、そうなったら頼むと約束しておくのかもしれない。
その状態の患者を永眠させるためには、まず呼吸器の酸素濃度を下げる。
こういった状態における人工呼吸器の酸素濃度は、40パーセント以上でないと窒息状態に陥りやすいんだ。
その後、通常の2、3倍の濃度にした麻酔剤を点滴の中に入れ、さらに時間を置いて鎮痛剤と筋弛緩剤を投与する。
これで老人は、眠りながら死.んでいく。
これらの薬は、人工呼吸器をつけている患者が日常的に使っているものだから怪しまれることもないし、濃度の濃さは、外側からはわからない。
酸素濃度を下げたことさえバレなければ、完全犯罪だ」
貴和は、ゆっくりと拍手をした。
「100点」
そう言いながら、私たちを見回す。
「つまり人工呼吸器をつけている老人を探して、その酸素濃度をチェックし、それが40パーセント以下だった場合には、それを示している計器を写真に撮れば証拠になるってこと。あるいは実際に酸素濃度を下げている犯行現場を撮るか」
「よし、それでいこう」
和臣が言うと、美門が思い出したようにつけ加えた。
「あの病院、老人専用病棟があったと思うな。この間入った時、エレベーター脇に表示が出てた。確か3階だ」
「オッケ。そこに忍びこもう」
和臣がそう言った瞬間。
「おい、ミスったぜ」
和典の瞳の中で、冷ややかな光がきらめいた。
「オレたち、秀雄が院長室に行ったことは確認したけど、そこに院長がいたかどうかは未確認だ。別の人間が院長室を使ってた可能性がある。調べ直さないと、ダメだな」
まぁ、可能性があるってだけで、おそらく院長だけどね。
和臣が、口に入れたストローをくやしそうにかみつぶす。
「だけど今ごろあの夜のことなんて、どうやって調べるんだ」
美門が、ふっと微笑みを浮かべた。
「北森秀雄を脅して話させるってのは、どうでしょ？」
…美門、あなたはこのチームにぴったりね。
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きょっちー(プロフ) - 翡翠さん» もちろんです！今は少し忙しいので遅くはなってしまいますが、番外編の方にコメントしていただければ、喜んで書かせていただきます！これからもよろしくお願いしますね (2020年8月22日 18時) (
レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
翡翠 - 久しぶりに書かせていただきます。しばらく見ていなかったのですが、更新されていて一気に見てしまいました。また仲良くしてくださいますか？無理のない範囲でいいので、コメントやリクエストに答えてくれると嬉しいです。よろしくお願いいたします。 (2020年8月22日 18時) (レス) id: f43e9245c3 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 天愛さん» コメントありがとうございます！テスト等の都合でお休みはもらっても、やめることはありません。むしろ駄作者もこれどこまで続くんだろうと、先が見えてない状態なので…。なので安心して、これからを楽しみにしていただけたら嬉しいです！ (2020年8月11日 15時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
天愛 - 早く続きが見たい!!とっても面白いのでやめたりしないでくださいね!更新応援してます!ファイトです! (2020年8月11日 15時) (レス) id: 74d4bab595 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - メロンパンさん» コメントありがとうございます！面白いと言ってもらえる度、駄作者のモチベーションは上がっていきます。これからも、楽しんで頂けるよう頑張っていきます！ (2020年8月8日 22時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きょっちー | 作成日時：2020年8月6日 22時
