608話 ページ14
雰囲気を変えたくて和臣に視線を向けると、それをくみ取ってくれる。
「オレたちがまとまった時間を取れるのは、次の土曜日だ。それまでに各自、1、2、3について考え、今後どう動けばいいのか、自分の意見をはっきりさせておくこと。黒木は、あの病院を調べてくれないか。看護師に知り合いがいるだろ？」
皆の間に、ふっと笑みが広がった。
「看護師は、さ」
和典が、からかう。
「黒木先生のお得意だよ」
皆が貴和を見た。
「だろ？」
貴和は目を伏せたままで、きれいな微笑みを浮かべる。
「まぁね」
あたりには、独特の雰囲気が立ちこめ、美門もちゃっかりニヤニヤしている。
私も貴和に少し身を寄せる。
『どうせなら、警察官にも手を伸ばしてみたら？きっといけるわよ』
私が落ちたんだからね。
「なら、老人会にも伸ばしてみろよ。桜田が落ちたならいけるよ」
『どういう意味』
私と美門がにらみ合っている中、和臣が、さっきよりは元気よく、こう言った。
「じゃ今日は、解散」
※※※
コンビニで買ったスポーツドリンクを持って、北森家の前まで来た。
例の駐車場に向かうと、貴和が北森家を見つめていた。
『お疲れ様。頑張るのはいいけど、せめて水分取りなさいよ』
「ありがとう」
貴和に休憩させていると、北森家の前にトラックが停まった。
そのコンテナ部分には引っ越し業者の名前が。
『引っ越すつもり？！』
「これはちょっとマズいかも」
業者が荷物を積んでいる隙に、トラックに発信器を仕掛ける。
荷物を積み終え出発したトラックを、貴和は自転車で、私はスケボーで追いかける。
見失ってしまうかと思ったが、そんなに遠い場所ではなく、途中で渋滞もしていて見失わずに済んだ。
新しい住所は、前の家からそう遠くない5階建ての古いマンションだった。
「とにかく若武に伝えておくよ」
『ええ、そうね。貴和もこれで引き上げましょう』
きっと、リーダーが何か指示を出してくれるだろうから。
※※※
翌日、貴和以外のメンバーが北森家の前に集まった。
誰もが、緊張した表情だ。
「黒木は、看護師をリサーチ中」
和臣がそう言い、話を変える合図に咳払いをしてから、両手を体の後ろで組み、背筋を伸ばした。
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きょっちー(プロフ) - 翡翠さん» もちろんです！今は少し忙しいので遅くはなってしまいますが、番外編の方にコメントしていただければ、喜んで書かせていただきます！これからもよろしくお願いしますね (2020年8月22日 18時) (
レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
翡翠 - 久しぶりに書かせていただきます。しばらく見ていなかったのですが、更新されていて一気に見てしまいました。また仲良くしてくださいますか？無理のない範囲でいいので、コメントやリクエストに答えてくれると嬉しいです。よろしくお願いいたします。 (2020年8月22日 18時) (レス) id: f43e9245c3 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 天愛さん» コメントありがとうございます！テスト等の都合でお休みはもらっても、やめることはありません。むしろ駄作者もこれどこまで続くんだろうと、先が見えてない状態なので…。なので安心して、これからを楽しみにしていただけたら嬉しいです！ (2020年8月11日 15時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
天愛 - 早く続きが見たい!!とっても面白いのでやめたりしないでくださいね!更新応援してます!ファイトです! (2020年8月11日 15時) (レス) id: 74d4bab595 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - メロンパンさん» コメントありがとうございます！面白いと言ってもらえる度、駄作者のモチベーションは上がっていきます。これからも、楽しんで頂けるよう頑張っていきます！ (2020年8月8日 22時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きょっちー | 作成日時：2020年8月6日 22時
