警察官でした。〜ルパン三世VS薊の少女〜

48話 ページ48

メイドさんが小さな金属のボールを手にしている。

「スイッチ、入れたわよ」

その声は、バイクのお姉さん？！

「はいよぉ」

おじ様がその声を合図に手錠を投げた。

いつの間に解いたの？！

その手錠はジラードの手にかかった。

「捕ったぞ、引け、とっつぁん！」

「何ぃ？！」

そう言いながらも銭形警部は縄を引き、その衝撃にジラードはたたらを踏む。

「ジラード様！」

その隙にキースさんが走り出した。

「カイル！」

「はいっ」

カイルさんも走っていく。

バイクのお姉さんは完全に変装を解いて、あの長い茶髪を露にしていた。

メル王子がそちらを見て、驚いたように声を上げる。

「峰子さん！」

「スゴいでしょ？このボール」

そう言って手にしているメカを振ってみせた。

…電波妨害か何かかしら。

キースさんはやカイルさんが衛兵を倒していく。

ジラードはメル王子の足元に倒れこむ。

メル王子は怒りの声をぶつけていく。

「もうおまえを叔父とは思わない。実の姉とその息子を、そんなことができるなんて」

お姉さんも衛兵を倒していく。

「オレは…、私はあなたを許しません」

私は、メイドさんに向かっていく衛兵に走りよって飛び蹴りを食らわせる。

…ちょっと手加減できなかった。

「決してあなたなんかにこの国は渡さない」

ジラードの縄を持ったおじ様は微笑み、貴和はジラードに怒りの表情を向けていた。

メル王子は目に涙を滲ませながら、しかしはっきりとした声で宣言した。

「この国の王は…この私ですっ！」

キースさんやカイルさん、お姉さんやメイドさん、皆が笑顔でその瞬間を見ていた。

ふと目線を下に向けると、例のメカが転がっていた。

…そういえばこれって…。

『あの、バイクのお姉さま、このメカの効力はどれくらい続くんですか？』

お姉さんはメイド服の袖を巻くって、腕時計を見て苦笑しながら言った。

「後3秒かな」

おじ様の大声が響く。

「飛びこめぇ！」

皆が叫びながら東屋から池に飛び出す。

水の中に着地した瞬間、東屋は爆発した。

水の中で目をつぶっていると、強い力で腕を引かれた。

目を開けるとやはり、貴和の顔が目の前にあった。

そうよ、事件は解決した。

貴和が帰ってきた。

私は嬉しくなり、貴和の両頬に手を添えてキスをする。

貴和も私の腰に手を回してきた。

ただいま、そう言っているかのようだった。

※※※

翌日 AM10:27

メル王子とおじ様と共に、私は事件現場を訪れていた。

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