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42話 ページ42

「はい。すでに整っております」

ジラードは大きく息をついてつぶやいた。

「やっと終わる」

※※※※

次元はシルバーの戦闘機を操縦していた。

耳に着けている無線から、ルパンのとぼけた声が聞こえてくる。

【もしもぉし、聞こえてる?】

「ああ」

ルパンは未だ金庫の中。

「閉じ込められちゃったぁ。迎えに来てもらってもいい?」

【お宝は?】

「ありません」

【帰る】

次元の言葉に、何故かルパンが呆れたような表情になる。

「またそういうこと言う」

【少しは懲りるってことを覚えろ】

わかっているのかいないのか、ルパンは満面の笑みで答えた。

「はぁい」

次元が大きな声で呼びかける。

「先生、出番だぜ」

戦闘機のボディに座りこんでいた袴姿に日本刀を抱えた男…、石川五右衛門は、その言葉に閉じていた目を開いた。

「あい、わかった」

戦闘機は急降下しながら、ヴェスパニア王宮の上空に差しかかった。

そこで五右衛門は戦闘機から飛び降り、日本刀を抜いた。

そして凄まじいかけ声を上げながら、王宮の屋根や床を切っていく。

その声を金庫の中で聞いていたルパンは、ふざけたように言った。

「いつもより、余計に切ってまぁす」

そして凄まじい光が金庫の中に勢いよく差しこみ、晴れたそこには五右衛門の姿が。

五右衛門は刀を鞘に収め、凜とした顔で言う。

「また、つまらぬ物を、たぁっくさん切ってしまったぁぁ…」

五右衛門は勢い余って床まで切ってしまい、足で何とか落ちないように踏ん張っている。

「つらいでしょ?そのポーズ」

穴の上に戦闘機が停まり、そこから太めのロープが金庫に向かって垂れ下げられる。

五右衛門とルパンはそれに捕まって脱出した。

「サンキュー!」

途中でルパンだけがロープから降り、五右衛門に向かって叫んだ。

「そんじゃバックアップよろしくな」

戦闘機が王宮の上から飛び去っていく。

その様子を双眼鏡で見ていた銭形は不敵に笑う。

「次元と五右衛門だけか。思った通りだ」

※※※

王宮東屋 PM05:32

そこには、王宮にいた全員が集められていた。

「これで全員か?」

「私たちが最後だと思いますが」

ジラードが背を向けている銭形警部に問う。

「これでよかったのですか?銭形警部」

「はい、ありがとうございます」

銭形警部はふり返り、一つ咳払いをした。

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月(ユエ)(プロフ) - はじめまして✨警察官でしたシリーズ、全て読みました!もしかしてシリーズ14以降は執筆しない予定ですか?とっても面白い話なのでもっと見てみたいなというのが本音です。私も小説を書いたりするので、書き方とても参考になりました!ありがとうございます!(´▽`) (4月20日 15時) (レス) id: 554e8a3ec4 (このIDを非表示/違反報告)
あんな - はじめまして!警察官でしたシリーズ、とても面白くて1日で読破してしまいました!私も黒木くん大好きです!我慢しすぎちゃう桜田ちゃんと心配して怒る黒木くんが最高です!これからの黒木くんとの恋模様、楽しみにしてます! (2021年3月10日 19時) (レス) id: 8be13c14ce (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 華菜原 舞衣さん» すみません!忘れていただけで、ルパコナ1は終わっています。2は展開的に書けるようならいつか書ければ…という感じです。しかし、コナンコラボは続きます。今も執筆中ですので、そちらを楽しみにしていただければ嬉しいです! (2020年7月5日 21時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
華菜原 舞衣 - 続く・・・って、完結じゃ、ないんですか?まだ続くのなら、楽しみにしています。 (2020年7月5日 17時) (レス) id: daa172df0e (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 翡翠さん» コメントありがとうございます!私も書いてみたいお話だったので、とても楽しかったです。最後がおかしくなってしまいしたが…。またお気軽にコメントしてください! (2020年6月21日 20時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きょっちー | 作成日時:2020年6月21日 12時

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