5話 ページ5
王子は顔をしかめ、その男から顔をそらした。
「オレ、ひげ面の男は嫌い」
その王子の一言に、男…次元大介は笑うしかなかった。
※※※※
8時間後 PM10:26
ヴェスパニアの王室専用機は日本に向けて離陸。
残された次元は王宮のある場所に向かった。
白い金属の壁に覆われた廊下を歩いていくと、一つの部屋の前に立っていた衛兵が、次元を見て嬉しそうに敬礼をした。
「よぉ、ご苦労さん」
次元が部屋の前に立つと、そのドアは自動で開いた。
中ではもう1人の衛兵が、パソコンのモニターに目を向けていた。
「今度また、射撃のご指南を、よろしくお願いします」
「お安いご用で」
その声に気付いたように中の衛兵も、視線を向けた。
「次元先生」
「先生はやめてくれ」
「王子と一緒に、日本に行かれたのかと」
「その王子に嫌われた」
「は？」
次元は部屋の中に入り、壁に造り付けられた金庫を見る。
「ちょっと聞くが、王子が戴冠式で被る、ヴェスパニア・クラウンってのは、この中にあるのか。」
「はい。ご覧になりますか？」
その言葉に次元は嬉しそうに返す。
「え？ご覧になっちゃっていいのか？」
衛兵は機械にカードキーを読み込ませ、解除のボタンを押した。
警告音と共に重厚な金庫の扉が開き、中に電気がつけられた。
中央の小さな柱の上には、銀色の台座に赤い絹、様々な宝石で飾られた王冠が置かれ、透明なケースが被せられていた。
「これが、ヴェスパニア・クラウンか」
「歴代の国王に代々受け継がれる、この国の至宝です」
「ほぉ、大したもんだ」
「ダメですよ、先生！」
次元が金庫に歩み寄ると、衛兵は慌てて止めた。
衛兵に顔だけ向け、次元は笑って言う。
「盗りゃあしねぇよ」
「違いますよ。その先からは、ここでもセキュリティが解けないんです。一歩でも中に入ったら、たちまち閉じ込められます。開けるパスワードは、私たちにも知らされていません」
パソコンのモニターには、金庫の見取り図が映されていた。
「ほぉ？そりゃあ、厄介だ」
次元のネクタイピンについた小型のカメラが、光できらめいた。
※※※※
PM0:15
ヴェスパニア王国の憩いの場、ヴェスパランド広場。
「ほぉんと厄介だこと。大事に大事に守られちゃってぇ。過保護もいいとこ」
たくさん並んだテーブルの一つで、ルパンはパソコンを開いていた。
その画面には、次元が撮ってきた金庫の概要が映っている。
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月(ユエ)(プロフ) - はじめまして✨警察官でしたシリーズ、全て読みました！もしかしてシリーズ14以降は執筆しない予定ですか？とっても面白い話なのでもっと見てみたいなというのが本音です。私も小説を書いたりするので、書き方とても参考になりました！ありがとうございます!(´▽｀) (4月20日 15時) (
レス) id: 554e8a3ec4 (このIDを非表示/違反報告)
あんな - はじめまして！警察官でしたシリーズ、とても面白くて１日で読破してしまいました！私も黒木くん大好きです！我慢しすぎちゃう桜田ちゃんと心配して怒る黒木くんが最高です！これからの黒木くんとの恋模様、楽しみにしてます！ (2021年3月10日 19時) (レス) id: 8be13c14ce (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 華菜原 舞衣さん» すみません！忘れていただけで、ルパコナ１は終わっています。２は展開的に書けるようならいつか書ければ…という感じです。しかし、コナンコラボは続きます。今も執筆中ですので、そちらを楽しみにしていただければ嬉しいです！ (2020年7月5日 21時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
華菜原 舞衣 - 続く・・・って、完結じゃ、ないんですか？まだ続くのなら、楽しみにしています。 (2020年7月5日 17時) (レス) id: daa172df0e (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 翡翠さん» コメントありがとうございます！私も書いてみたいお話だったので、とても楽しかったです。最後がおかしくなってしまいしたが…。またお気軽にコメントしてください！ (2020年6月21日 20時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きょっちー | 作成日時：2020年6月21日 12時
