警察官でした。〜ルパン三世VS薊の少女〜

39話 ページ39

不二子はその不安を払拭するように、再びはっきりした声で答えた。

「心配しないで。クライアントの秘密は守るから。だって私、弁護士だから」

※※※※

これまた別室、ルパンは食事をご馳走になっていた。

「すみませんねぇ。運転手の私まで、こんなにご馳走になっちゃって」

そこに次元が入ってきて、近くに立っていたメイドに声をかける。

「ビールとアイスティーを頼む」

「あ、はい」

目線を前に向けた次元がルパンに気付く。

「何？！」

「よっ！」

フォークを持った手を上げながら軽く言うルパンに、次元は素早く近づいた。

「よっ！じゃねえだろ、よっ！じゃ！」

Aも入ってきて、ルパンの姿を視界に入れた。

『あら、あの人…』

その時、強い力で腕を捕まれた。

見ると、険しい顔をした毛利が立っている。

「ちょっと来いっ！」

『も、毛利さぁん』

「何が毛利さぁんだ」

次元がルパンの耳元で、周りに聞こえない声量で話す。

「どういうことだ、ルパン」

「いやぁ、王子送ってきたら食事でもってね」

「そうじゃねぇ、不二子のことだ！」

「あぁ、それねぇ」

Aも毛利と向かい合って床に正座させられ、ぎこちない笑顔で話していた。

『いや、思わず潜り込んだら寒くて…』

「それじゃあねぇ！何生意気に調査してんだ？」

『あぁ、それですか』

次元が険しい顔で言う。

「あの女が絡んで、いいことあったか？」

毛利が険しい顔で言う。

「またケガするかもしんねぇだろ！」

ルパンが困った顔で言う。

「だって手伝ってくれって」

Aがごまかすような笑みで言う。

『言われたんですもん』

次元と毛利が大きな声で言う。

「「はぁ、何言ってんだ？今までロクなことにならなかっただろ！」」

『「あははは…」』

ルパンとAは笑ってごまかした。

…似た者同士…。

「とにかく、早いとこ片付けて帰ろうぜ」

そう言った次元に、ルパンは不適な笑みを返す。

「だな」

事件ファイルを開いた毛利の手元を、Aがのぞきこんでいる。

「で、現場はどうだった？」

『猟銃の指紋は、調べたんですよね？』

…名コンビ…。

トレーにビールとアイスティーを乗せたメイドが戻ってきた。

「お待たせしました」

そこに銭形が入ってきて、帽子を取りながら声をかける。

「お嬢さん、コーヒーをいただけますかな」

「はい。…あら？」

メイドが一瞬銭形に目を移して戻すと、ルパンと次元がいなくなっていた。

「何か？」

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