37話 ページ37
「おまえ、鼻と目は利くんだな。その枝は、母が撃たれた時、一緒に折れたらしい」
ということは…。
私は辺りを見回して、一つの丘に狙いを絞った。
『ねぇ、おじ様。あそこから撃てる？』
「あ？桜の枝をか」
『違うわよ』
察しなさいよね。
「兄は、あそこから木の陰にいたキツネを狙ったんだ。けど、ちょうどその時、キツネを逃がそうとした母が…。そして兄は、駆けつけた叔父様の拳銃を奪って、」
…引っかかるわね。
私を下ろした次元さんが、王子に問いかける。
「で、王子さんどうする？オレたちのヘリで、一緒に帰るか？」
『すごいのですよ、このおじ様。この国の衛兵に、何でも言うことを聞かせてしまうんですから』
「オレはいい。下に待たせてる人がいるんだ」
そう言って歩き始めた王子に、今度は私が問う。
『待たせてる人って、あの女性ですか？』
「そう。国際弁護士だって。あのチェイス、喜んでたぞ」
次元さんが急に反応を示した。
「女性？国際弁護士？な、そいつの名前、聞いたか？」
「え？不二峰子って言ってた」
王子の答えに、次元さんは苦い顔で額に手を当てた。
「あっちゃあ」
『知り合いなの？』
※※※※
不二子はルパンから渡された、小さなメカを眺めていた。
「これがそんな力あるの？」
「特定の周波数があるんだけどな。30秒は持つぜ」
「ふぅん、いらない」
そう言ってメカを放り投げるが、ルパンがギリギリのところでキャッチする。
「おいおい」
「あんたが狙ってるからもっとスゴいお宝かと思ったら、何よあのクラウン。大した宝石が付いてるわけじゃないし、安物じゃない」
「ひでぇ言い方。すんごい歴史があるんだぞぉ」
「歴史より値段」
そんな言い争いをしている2人の元へ、メル王子が戻ってきていた。
※※※
私と次元さんは、ヴェスパニアの軍隊が出してくれたヘリで、王宮に向かっていた。
腕組みをした次元さんが、声をかけてくる。
「さっきの話、一つ引っかかってねぇか？」
『ええ。ジル王子が、長い猟銃を使わないで拳銃を使ったのは納得できるけど、その叔父様が拳銃を持ってたのがね』
「SPがいるってのに猟銃と拳銃…。帰ったらその銃、見てみるか」
その言葉に、次元さんの方を向いて明るい声で言う。
『協力してくれるの？』
次元さんは顔を反らし、外を見ながら返してきた。
「ま、仕方ねぇだろ。仕事なんだから」
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月(ユエ)(プロフ) - はじめまして✨警察官でしたシリーズ、全て読みました！もしかしてシリーズ14以降は執筆しない予定ですか？とっても面白い話なのでもっと見てみたいなというのが本音です。私も小説を書いたりするので、書き方とても参考になりました！ありがとうございます!(´▽｀) (4月20日 15時) (
レス) id: 554e8a3ec4 (このIDを非表示/違反報告)
あんな - はじめまして！警察官でしたシリーズ、とても面白くて１日で読破してしまいました！私も黒木くん大好きです！我慢しすぎちゃう桜田ちゃんと心配して怒る黒木くんが最高です！これからの黒木くんとの恋模様、楽しみにしてます！ (2021年3月10日 19時) (レス) id: 8be13c14ce (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 華菜原 舞衣さん» すみません！忘れていただけで、ルパコナ１は終わっています。２は展開的に書けるようならいつか書ければ…という感じです。しかし、コナンコラボは続きます。今も執筆中ですので、そちらを楽しみにしていただければ嬉しいです！ (2020年7月5日 21時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
華菜原 舞衣 - 続く・・・って、完結じゃ、ないんですか？まだ続くのなら、楽しみにしています。 (2020年7月5日 17時) (レス) id: daa172df0e (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 翡翠さん» コメントありがとうございます！私も書いてみたいお話だったので、とても楽しかったです。最後がおかしくなってしまいしたが…。またお気軽にコメントしてください！ (2020年6月21日 20時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きょっちー | 作成日時：2020年6月21日 12時
