30話 ページ30
「愛するお二人をいっぺんに亡くされて、あまりにも大きな悲しみが、今のメル様を襲っているのだと、かわいそうで見てられません…」
きっと認められないんだな。
だから、違う自分という仮面を被って…。
※※※※
王宮のバルコニーで、キースとカイルは2人のことを見送っていた。
「おまえも、あの2人に任せたのを不思議に思うか?」
キースの問いにカイルは動揺することなく答える。
「はい。次元先生はともかく、あの少女に期待するのは?」
「何故かは分からないが、あの少女…、あの少女の姿が、真の姿なのか?まるで体は少女、頭脳は大人…、いや、普通の大人以上の何かであるような…」
キースの頭には、パーティー会場で男を倒した時の姿や、格納庫から発見された時のAの姿が浮かぶ。
それと同時に、Aの凜とした灰色の瞳と、まだ数えるほどしか見ていない優しい笑顔のAの姿も…。
※※※※
ルパンは自分のアジトのドアホンを何度も押し続ける。
「不二子ちゃ〜ん、朝ですよ〜?」
「うるさいっ!」
メル王子の叫びと共にソファがルパンを襲った。
小さなボロボロの車に乗った3人だったが、道路を走っている途中にルパンが大きくくしゃみをした。
「やだ風邪?移さないでよ」
「よく言うぜ。誰のせいで公園で寝たと思ってるの?」
スーツを着た不二子が、驚いたように王子を見る。
「あらやだ、あなたのこと責めてるわよ」
「最低だな」
「違うでしょ!」
不二子はどうでもいいというような声で、話を変えた。
「それよりこの車、もう少し速く走れないの?」
その車は、下手をすれば走った方が速いようなスピードで走っていた。
「全力です」
「いつものどうしたのよ」
「2台ともお亡.くなりになりました…」
口にしてから、ルパンは気まずげに後ろを見た。
不二子は口許に人差し指を立てており、王子は頬杖をついて窓の外を見ていた。
そして、ルパンに目を向けて言い放った。
「ねぇ、喉渇いたんだけど。コーラ買ってきてよ」
ルパンは雰囲気を変えようと笑顔で言った。
「はぁい」
「私、アイスコーヒー」
「はいはい!」
「返事は1回」
不二子のキツい返しに、ルパンは不満げにもらした。
「っにゃろぉ」
※※※
ヴェスパニアの街をパレードのコース通りに歩いてみた。
そのコースの中で、高いビルはあそこね…。
『ねぇパパ?パパならどこから狙うかしら。やっぱり一番高いビル?』
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月(ユエ)(プロフ) - はじめまして✨警察官でしたシリーズ、全て読みました!もしかしてシリーズ14以降は執筆しない予定ですか?とっても面白い話なのでもっと見てみたいなというのが本音です。私も小説を書いたりするので、書き方とても参考になりました!ありがとうございます!(´▽`) (4月20日 15時) (レス) id: 554e8a3ec4 (このIDを非表示/違反報告)
あんな - はじめまして!警察官でしたシリーズ、とても面白くて1日で読破してしまいました!私も黒木くん大好きです!我慢しすぎちゃう桜田ちゃんと心配して怒る黒木くんが最高です!これからの黒木くんとの恋模様、楽しみにしてます! (2021年3月10日 19時) (レス) id: 8be13c14ce (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 華菜原 舞衣さん» すみません!忘れていただけで、ルパコナ1は終わっています。2は展開的に書けるようならいつか書ければ…という感じです。しかし、コナンコラボは続きます。今も執筆中ですので、そちらを楽しみにしていただければ嬉しいです! (2020年7月5日 21時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
華菜原 舞衣 - 続く・・・って、完結じゃ、ないんですか?まだ続くのなら、楽しみにしています。 (2020年7月5日 17時) (レス) id: daa172df0e (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 翡翠さん» コメントありがとうございます!私も書いてみたいお話だったので、とても楽しかったです。最後がおかしくなってしまいしたが…。またお気軽にコメントしてください! (2020年6月21日 20時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きょっちー | 作成日時:2020年6月21日 12時