28話 ページ28
「便利よ、今の宅配は」
「便利すぎでしょ。よくここのアジトが分かったなぁ?」
ルパンの顔を伸ばした足でくすぐりながら不二子は言い返した。
「ルパンのことで私の知らないこと、あるわけ無いでしょ」
そしてくすぐっていた足の指で、ルパンの頬をつまんで引っ張った。
「どうして仲間外れにしたの?!」
痛みの中笑顔を浮かべながらルパンも言い返した。
「いやぁ、これからお知らせしようかなと思って…」
ルパンの顔から足を離し、不二子は嬉しそうに言った。
「やっぱり。よかった、そう思ったから、王子連れてきたんだから。明日送り届ける約束なの。堂々と王宮に入れちゃうかも」
そこまで言った不二子はルパンを持ち上げ、アパートの廊下に出した。
「じゃあ、また明日ね」
外で寝ろという、無言の圧力だった。
※※※※
翌日 AM09:00
王宮の中の一室で、キースはジラードから呼び出されていた。
ジラードは椅子に座り、その前にキースが立っている。
「王子の具合は、どうかね」
「今はもう落ち着かれて、朝食も残らず。すみません、心配をお掛けしました」
「君が、謝らなくってよい。反王子分子が日本に送られていたとは、思いもよらないことだ。それでなんだが、王子の戴冠式を急がせたいのだが」
キースはわずかに片眉を上げた。
「戴冠式を、早める?」
※※※
王宮の一室では、カイルさんとメル王子のメイドさん2人が立つ傍に貴和が座り、その向かいのソファに私と次元大介と名のった男が座っていた。
そこにキースさんが入ってくる。
「待たせました」
貴和は椅子から立ち上がり、キースさんに聞いた。
「王子は?」
「まだこちらにはお着きになってません」
こちらに歩み寄ってくるキースさんに、次元さんが話しかける。
「なぁ、大体の話はそいつから聞いたが、オレとこの嬢ちゃんは無理なんじゃねえのか?」
それにキースさんが笑顔で答える。
「どこから見ても、日本人の親子に見えるが」
「やめてくれぇ」
貴和が怪訝そうに言った。
「いくらなんでも、Aまで巻き込む気ですか」
キースさんは真剣な顔つきで言った。
「恥ずかしい話、ここにいる人間しか私は信じることができない」
カイルさんも続けて言った。
「こんな時期に無理やり日本に行ったのも、キース様の考え。その結果、SPの中にも疑わしい者が出ました」
49人がお気に入り
「アニメ」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
月(ユエ)(プロフ) - はじめまして✨警察官でしたシリーズ、全て読みました!もしかしてシリーズ14以降は執筆しない予定ですか?とっても面白い話なのでもっと見てみたいなというのが本音です。私も小説を書いたりするので、書き方とても参考になりました!ありがとうございます!(´▽`) (4月20日 15時) (レス) id: 554e8a3ec4 (このIDを非表示/違反報告)
あんな - はじめまして!警察官でしたシリーズ、とても面白くて1日で読破してしまいました!私も黒木くん大好きです!我慢しすぎちゃう桜田ちゃんと心配して怒る黒木くんが最高です!これからの黒木くんとの恋模様、楽しみにしてます! (2021年3月10日 19時) (レス) id: 8be13c14ce (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 華菜原 舞衣さん» すみません!忘れていただけで、ルパコナ1は終わっています。2は展開的に書けるようならいつか書ければ…という感じです。しかし、コナンコラボは続きます。今も執筆中ですので、そちらを楽しみにしていただければ嬉しいです! (2020年7月5日 21時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
華菜原 舞衣 - 続く・・・って、完結じゃ、ないんですか?まだ続くのなら、楽しみにしています。 (2020年7月5日 17時) (レス) id: daa172df0e (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 翡翠さん» コメントありがとうございます!私も書いてみたいお話だったので、とても楽しかったです。最後がおかしくなってしまいしたが…。またお気軽にコメントしてください! (2020年6月21日 20時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:きょっちー | 作成日時:2020年6月21日 12時