27話 ページ27
しかしキースさんは顔をしかめたまま、オレの質問とは関係無いことを言い出した。
「一体、君たちは何者なんだ」
「質問しているのは、僕の方なんですがね」
「普通の君くらいの子なら、もっと動揺するところです」
「そういう性格なものでして。そっちの方がお望みでしたか?」
というか、KZでこれくらいで動揺するヤツはいないだろう。
小塚もいざという時は肝が座ってるし。
キースさんはSPに向かって片手を上げ、それによってSPは部屋から出ていった。
「君が寝ている間に、機内で騒ぎがあった。パーティーで、偽ソムリエを見抜いたあの少女…、飛び立とうとするジェットに、外から乗り込むという離れ業をしてくれた」
「A…」
「コクピット下の隔壁が開いてしまっては、上昇はできない。
すぐに高度を落とし、前輪の隔壁部分を調べた。
そこに見つけたのが、あの少女。
機長が驚いていたのは、彼女の冷静な判断と知識。
無茶をすれば上空1万メートルで、我々まで危険にさらすところ。
彼女はセンサーの場所を探り、コクピットにそれを知らせた。空気の薄い、極寒の前輪格納庫で」
また無茶をした…、いや、させてしまったのか。
「無事なんですよね」
出ていったSPがティーセットを持って戻ってきた。
「心配はいらない。軽い凍傷が残るだけだ。これから君に話すことに、もう嘘も偽りも無い。聞いてほしい」
この時、ヴェスパニア王国まで3時間。
※※※※
ルパンはアジトであるアパートの一室で、目にルーペを当てながら小さなメカを作っていた。
その時、遠くから不二子の声がした。
「ルパーン、シャワー借りたわよ」
「はいよぉ…。えぇっ?!」
驚いたルパンは部屋から出て、シャワールームを開けた。
「不二子ちゃん?いつ来たのぉ?」
しかし、そこにいたのはメル王子だった。
「無礼者ー!」
洗濯機をぶつけられ、勢いのまま壁に激突したルパンに、体にタオルを巻いた不二子がベッドルームから顔を出した。
「借りたわよって言ったでしょ。バカね」
洗濯機の下から這い出てきたルパンは悔しげに言った。
「残念…。男の裸に興味は…」
それが聞こえていたのか、一体どうやったのか…、ルパンの顔面に便器がぶつけられた。
2つ並んだベッドの片方ではメル王子が眠り、もう片方に入った不二子は、椅子に逆向きに座ったルパンと話していた。
「どうりで荷物が多いと思ったぜ」
「開けなかったんだ?」
「次元のかと思ってさ」
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月(ユエ)(プロフ) - はじめまして✨警察官でしたシリーズ、全て読みました!もしかしてシリーズ14以降は執筆しない予定ですか?とっても面白い話なのでもっと見てみたいなというのが本音です。私も小説を書いたりするので、書き方とても参考になりました!ありがとうございます!(´▽`) (4月20日 15時) (レス) id: 554e8a3ec4 (このIDを非表示/違反報告)
あんな - はじめまして!警察官でしたシリーズ、とても面白くて1日で読破してしまいました!私も黒木くん大好きです!我慢しすぎちゃう桜田ちゃんと心配して怒る黒木くんが最高です!これからの黒木くんとの恋模様、楽しみにしてます! (2021年3月10日 19時) (レス) id: 8be13c14ce (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 華菜原 舞衣さん» すみません!忘れていただけで、ルパコナ1は終わっています。2は展開的に書けるようならいつか書ければ…という感じです。しかし、コナンコラボは続きます。今も執筆中ですので、そちらを楽しみにしていただければ嬉しいです! (2020年7月5日 21時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
華菜原 舞衣 - 続く・・・って、完結じゃ、ないんですか?まだ続くのなら、楽しみにしています。 (2020年7月5日 17時) (レス) id: daa172df0e (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 翡翠さん» コメントありがとうございます!私も書いてみたいお話だったので、とても楽しかったです。最後がおかしくなってしまいしたが…。またお気軽にコメントしてください! (2020年6月21日 20時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きょっちー | 作成日時:2020年6月21日 12時