26話 ページ26
「話は聞いた。私の助手ということで、君をヴェスパニアへ連れていこう」
その言葉に、まだ衝撃から抜け出せていない毛利は、呆然と答えた。
「あっ、ありがとう…」
高木が嬉しそうに毛利につめよる。
「やったじゃないですかぁ!」
毛利の手を取り、何か念を押し込むように強く握る。
「この拳に、ボクの思いを込めますっ。あいつにきつぅい一発をお願いしますっ」
「おうっ、任しとけ」
高木は思い出したように胸元を探った。
「あ、そうだ。ボクの辞表、使ってください」
差し出された辞表を見ながら、毛利は不思議そうに聞いた。
「オレは、誰に出すんだ?」
※※※※
羽田沖 同時刻
空母の甲板に止められた戦闘機が、今まさに飛び立とうとしていた。
その運転席に座った不二子は、船長である男性に手を振っている。
「じゃあ借りてくね!」
「あぁいっ、愛してるよ、不二子」
その後ろに座っているメル王子は、怪しむような顔で聞いた。
「ねぇ、あんた本当に何者?CIA?FBI?M機関?」
「やぁだ、そんなんじゃないってば。一般人よ。ちょっと知り合いが多いだけ」
ヘルメットにつけられたゴーグルを下ろしながら言った不二子だが、王子の顔は晴れない。
「一般人が空母からF-18で飛び立つわけ」
「舌噛むわよ」
「うあぁっ!」
王子は急に発進した戦闘機の衝撃に叫ぶが、戦闘機は無事、空母から飛び立った。
別の飛行機には、銭形警部と毛利が乗り込んでいた。
毛利は銭形がヴェスパニアに行く目的を改めて聞いていた。
「ヴェスパニア・クラウン?それをルパンが、狙ってるんすか」
「確かな情報です」
毛利は感心したように言う。
「しっかし本当にいたんですな、ルパン三世。私は小説かマンガかと」
「何ですと?!あんた探偵のくせに、ルパンを知らんのですか」
こうしてそれぞれが、ヴェスパニア王国に向けて日本を出た。
ヴェスパニア王国まで8時間半。
※※※
貴和side
ぼんやりとした意識の中で、Aの声が響く。
【貴和、貴和っ!】
A…。
その声に呼び覚まされるように目を開けると、飛行場とは別の豪華な部屋の中にいた。
近くの椅子に座ったキースさんが、オレを見て声をかけてきた。
「覚めましたか」
「ここは…」
体にかかる圧力、そしてエンジン音。
恐らく、いや絶対に飛行機の中だ。
オレはキースさんをにらみながら言う。
「どういうことか、説明ありますよね」
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月(ユエ)(プロフ) - はじめまして✨警察官でしたシリーズ、全て読みました!もしかしてシリーズ14以降は執筆しない予定ですか?とっても面白い話なのでもっと見てみたいなというのが本音です。私も小説を書いたりするので、書き方とても参考になりました!ありがとうございます!(´▽`) (4月20日 15時) (レス) id: 554e8a3ec4 (このIDを非表示/違反報告)
あんな - はじめまして!警察官でしたシリーズ、とても面白くて1日で読破してしまいました!私も黒木くん大好きです!我慢しすぎちゃう桜田ちゃんと心配して怒る黒木くんが最高です!これからの黒木くんとの恋模様、楽しみにしてます! (2021年3月10日 19時) (レス) id: 8be13c14ce (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 華菜原 舞衣さん» すみません!忘れていただけで、ルパコナ1は終わっています。2は展開的に書けるようならいつか書ければ…という感じです。しかし、コナンコラボは続きます。今も執筆中ですので、そちらを楽しみにしていただければ嬉しいです! (2020年7月5日 21時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
華菜原 舞衣 - 続く・・・って、完結じゃ、ないんですか?まだ続くのなら、楽しみにしています。 (2020年7月5日 17時) (レス) id: daa172df0e (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 翡翠さん» コメントありがとうございます!私も書いてみたいお話だったので、とても楽しかったです。最後がおかしくなってしまいしたが…。またお気軽にコメントしてください! (2020年6月21日 20時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きょっちー | 作成日時:2020年6月21日 12時