警察官でした。〜ルパン三世VS薊の少女〜

23話 ページ23

「何で今さら、顔隠してるのかな？」

その時、どこからかともなくかん高い音が聞こえてきた。

「ヒュウウッ？」

ルパンがその音を唱えながら音の方向を向くと、ルパンたちが乗ってきた車にミサイルが落ち、爆発した。

慌てるルパンの傍で、次元は嬉しそうにうなずいた。

「うん、見事！」

「何納得してるの？」

「走るぞ！」

そう言って走り出した次元の後をルパンは追いかける。

「走るぞって、おまえ、逆だぞ。もう一台はあっちだろ？！」

「逃走車は、二台以上あると思えって、教えたからな」

「誰に？」

そう言い合っている途中に、もう一度あの音がして別方向から爆発による炎が上がった。

「あぁ…、SSKちゃん…」

そっちを見ていたルパンは急いで速度を上げ、次元の隣に並んだ。

「こんにゃろ、17文字以内に説明しろっ」

「この国の衛兵に演説ぶた」

また別の場所では、銃を構えた衛兵たちが車を複数台発車させた。

「行くぞぉ！」

次元は走りながらも教えたことを復唱していく。

「一つ、しめしめと出てきたとこを狙え。一つ、町中には逃がさん」

その声が聞こえていない衛兵たちも、教えを繰り返していた。

「一つ、一気に追い詰めろ！手加減するなっ、次元先生の教えを活かす時だぞ！」

「ラジャー！」

かけ声と共に、車に取り付けられた小型のミサイルが発射される。

「ああっ、そんなもん撃っちゃダメっ」

ルパンたちギリギリに着地していくミサイルを避けるように、2人は抱き合って逃げる。

「おい、ヘリのことは言ってねぇだろうな？！」

ルパンの言葉に次元は笑いしか返さない。

また別の戦闘機の無線内容。

【いいか、ヘリの機体にTV局のマークが付いているものが、特に怪しいということだ】

「います、200メートル下。付いてます、TV局のマーク！」

戦闘機はそのヘリに向かって降下していった。

「ヘリは最後の砦でしょ？！どうすんのよ？」

「走る」

ルパンと次元は更にスピードを上げた。

問題の次元の演説内容…。

ホワイトボードにはヘリや戦闘機、車のイラストが書かれてあり、次元が指示棒でヘリのイラストを指す。

【犯人のチャーターしたヘリかどうか、確かめる必要はねぇ。まず、ぶっぱなしちゃいな。違ってたら、違ってただ】

その言葉に衛兵たちは感嘆したように言葉をもらす。

そして次元はキメ顔で言い放った。

【それが、ハードボイルド】

戦闘機が撃ったミサイルによってヘリは飛び去ってしまった。

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