警察官でした。〜ルパン三世VS薊の少女〜

21話 ページ21

その棒に次元は気の抜けた声を出し、逆にルパンは楽しそうにそれを両手に1本ずつ持って掲げた。

「ダウジングぅ」

「おいおい、やったことあんのかよ」

「無い」

ダウジングとは、地下水や貴金属の鉱脈など隠れた物を棒や振り子などの装置によって見つける方法。

「信じるものは、不二子ちゃんとダウジングぅ」

「バカ！」

※※※※

東京にあるゲームセンター。

そこに置かれた1台のスロットマシンがスリーセブンを示し、コインを吐き出す。

「あっ、来たぁ！」

その前に座っていたメル王子は大いに喜んだ。

UFOキャッチャーではアームが見事猫のぬいぐるみをつかんだ。

「行けっ、行けっ、行け！やったっ！」

しかし興奮で台を叩いたためか、アームからぬいぐるみが滑り落ちてしまう。

「あぁ、店員！今つかんだ、つかんだ！」

そう文句を垂れる王子の傍で、不二子はその様子を見守っていた。

王子が好きな寿司を食べるため、回転寿司に場所を移し、王子が寿司を食べている隣で、不二子はサングラスをずらして外をうかがっていた。

「外ばかり気にしてるんだな」

「普通するでしょ。王子様を誘拐してんだから」

不二子はサングラスをかけ直し、王子の方を見た。

「旨いっ！」

あまりにのんきな様子に肩をすくめる。

「もう少し人質っぽくしたら？」

「わかったよ」

王子はそう返事をしながら新しい皿を取り、食べた皿をレーンに乗せてしまう。

「食べたお皿は、戻しちゃダメ」

不二子は注意しながらその皿を回収した。

「目的はわかんないけど、あんたは悪いヤツじゃない。それとも、教えてくれるか？足長お姉さんの本当の目的」

何も答えずに黙りこむ。

「ほら、黙るんじゃん。けど、もう信じるって決めたし。お姉さんと、オレの直感を」

キメ顔でいう王子だが、残念なことに…。

「ご飯粒ついてる」

言われた王子は慌てて口許をぬぐった。

「だからお皿戻さないの」

2人はしばらく回転寿司に居続けた。

※※※

ホテルのロビーに目暮警部の怒声が響く。

「どういうことですかっ？！納得いくわけないでしょう！はい、はい、では」

目暮警部は電話を閉じ、高木刑事に指示を飛ばした。

「もう一度、本庁に掛け合ってくる。君はここにいてくれ」

どうやら毛利さんが保護者代理として、貴和の捜索願いを出そうとしてくれているらしいが…。

「あいつらの圧力ですか」

「恐らくな。私が戻るまで、軽率な行動はいかんぞ」

「分かってます」

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