17話 ページ17
「素人?だけど、マシンガン持ってたぞ」
「見かけだけ。追跡は二台以上、一台に二人。前を走るターゲットへの、後部座席からの銃撃はNG。しかも、タイヤを狙って外すなんて、夜は弾足が甘いことすら知らないみたい。金で雇われたド素人ってやつ」
「お姉さん、スゴいな」
その言葉と共に、王子は不二子に回していた腕を強めた。
不二子もそれに嬉しそうに笑ったが、サイドミラーにスケボーに乗った少女が追いかけてくるのを見て、表情を変えた。
「ねぇ、あの子知り合い?」
不二子の声に王子は後ろを見て、少女の姿を見た。
「あいつっ!」
王子の様子から逃げた方がいいと判断し、バイクの速度を上げた。
Aは道路から脇道に反れ、出た場所はバイクの前方だった。
不二子はとっさに角を曲がるが、距離はかなり詰められてしまっている。
「(読まれた?この私が?)」
「ちょおっと飛ばすわよ」
バイクのレバーを引くと、先ほど盾が出てきた箱が自動で外れ、後方に飛ぶ。
しかしAはスピードを緩めることなく、それを避けていく。
バイクは河川敷上の道路から一気に飛び、下の道にバウンドしながら着地した。
Aは河川敷を下りる階段の手すりの上を、横にしたスケボーで火花を散らしながら下りていく。
バイクが川を渡る橋を走っていくのが見え、Aは川沿いに設置されたコンクリートブロックに狙いを定めた。
『(行くしかないっ!)』
コンクリートブロックにスケボーをぶつけ、その反動を利用して飛び上がり、橋にかかったアーチ状の鉄橋の上に着地した。
そのまま鉄橋を下りようとすると、前から不二子のハーレーが走ってきた。
「いゃあん、どいてぇ!」
『うあっ!』
Aはとっさにスケボーから飛び上がった。
スケボーはバイクに跳ねられ、川に落ちる。
Aは膝を曲げて衝撃を吸収しながら、橋に着地した。
橋の向こうで不二子が笑っている。
「ごめんねぇ。大人げなかったぁ?でも、本気にさせたあなたが悪いのよ」
そう言って王子を乗せたまま走り去っていった。
橋にはAだけが残された。
『(何なの?あの人…。目に犯罪の色はあるのに、敵には思えない…)』
※※※
貴和side
サクラサクホテル PM08:21
椅子に座ったオレの顔を、毛利さんが凝視している。
「本当に、黒木くん?」
「そうですって」
目暮警部が咳払いをしてから言った。
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月(ユエ)(プロフ) - はじめまして✨警察官でしたシリーズ、全て読みました!もしかしてシリーズ14以降は執筆しない予定ですか?とっても面白い話なのでもっと見てみたいなというのが本音です。私も小説を書いたりするので、書き方とても参考になりました!ありがとうございます!(´▽`) (4月20日 15時) (レス) id: 554e8a3ec4 (このIDを非表示/違反報告)
あんな - はじめまして!警察官でしたシリーズ、とても面白くて1日で読破してしまいました!私も黒木くん大好きです!我慢しすぎちゃう桜田ちゃんと心配して怒る黒木くんが最高です!これからの黒木くんとの恋模様、楽しみにしてます! (2021年3月10日 19時) (レス) id: 8be13c14ce (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 華菜原 舞衣さん» すみません!忘れていただけで、ルパコナ1は終わっています。2は展開的に書けるようならいつか書ければ…という感じです。しかし、コナンコラボは続きます。今も執筆中ですので、そちらを楽しみにしていただければ嬉しいです! (2020年7月5日 21時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
華菜原 舞衣 - 続く・・・って、完結じゃ、ないんですか?まだ続くのなら、楽しみにしています。 (2020年7月5日 17時) (レス) id: daa172df0e (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 翡翠さん» コメントありがとうございます!私も書いてみたいお話だったので、とても楽しかったです。最後がおかしくなってしまいしたが…。またお気軽にコメントしてください! (2020年6月21日 20時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きょっちー | 作成日時:2020年6月21日 12時