警察官でした。〜ルパン三世VS薊の少女〜

15話 ページ15

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メル王子は裏路地を走り、裏道の道路に出ようとした。

すると、目の前にピンクのハーレーが止まった。

「乗って。考えがある。私はあなたの正体を知ってる。敵なら今跳ねてる」

それに乗った不二子がフルフェイスを投げ渡す。

「信じて」

メル王子はフルフェイスを被り、バイクの後ろにまたがった。

※※※
貴和side

サクラサクホテル前 PM07:37

何とかサクラサクホテルの前までは来たが、これからどうするべきか。

とにかく、正直に言うしかないか…。

信じてもらえるかどうかだけど。

柱の陰に隠れたりしながら、こっそり入り口に歩く。

見つかったら厄介だし、誰も出てこないでくれよ…。

壁に背をつけたとき、鏡のようになっていることに気づき、1歩下がって全身を映す。

白い軍服に赤いマント。

軍服を買ってオレに着せてきたAが喜びそうなスタイルだ。

王子様、か。

隣に並ぶのはもちろんAで、どんなドレスがいいか…。

背が高いしスタイルもいいから、マーメイドラインも似合いそうだ。

だけど可愛らしくプリンセスラインも見てみたい。

今日のドレスは選んだだけで、着ているところは見れなかったんだよな。

色は王道の白か、Aの好きな紫、パステルならピンクよりは水色かな…。

頭にはティアラを乗せて、少し巻いてみるか。

いや、Aの性格のように真っ直ぐな髪もきれいだし…。

※※※※

壁の向こう、目暮は後ろの高木に困惑したように聞いた。

「王子は、何をしとるんだ」

「さぁ…、何か考えこんでますね…」

実は黒木の立っている壁はマジックミラーになっていて、ホテルの内側からは外を見ることができるのだ。

考え込んでいる黒木は、自分の後ろにいる大勢の警官やパトカーに気付いていない。

「メイクはエレガント…、いや逆にかわいい感じにしても…」

警察の無線に連絡が入る。

【本部より各隊、本部より各隊、捜査対象確保。19時53分、捜査対象確保。これより、警備を通常に戻す】

その無線に入り込んでいた不二子は、それを聞いて無線機の電源を落とした。

今はパーキングにバイクを止め、情報が入ってくるのを待っていたのだ。

「OK。さぁ、出かけましょう」

王子はバイクの隣に止められていた車にもたれながら、怪訝そうに不二子を見ている。

「本当に、おまえは誰だ？」

不二子はハーレーのエンジンをかけながら軽く言った。

「だから足長お姉さんって言ってるじゃない」

「バカにしてるのか」

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