警察官でした。12

593話 ページ49

「ね、人数は多い方がいいよ。この際、タスクをKZに入れたら、どう？」

立花さんの言葉に、和臣は、露骨に嫌な顔をし、反論しようとした。

立花さんはそれを封じようと、和臣と和彦を見ながら大きな声を出した。

「上杉クンも小塚クンも、その方がいいと思うよね」

とたん、貴和が口を開いた。

「事態は、急を要している。美門を使おう」

それに続いて和典と和彦が、手を上げた。

「賛成」

「異議なし」

あっという間に4票が集まり、和臣は、うめくようにつぶやいた。

「ちっきしょう！」

まぁ、私はどっちでもいいけどね。

「じゃ、美門を呼べよ」

不貞腐れて和臣が言い、和典が立花さんのノートを見て、電話をかけた。

「美門？上杉だけど、おまえ今、時間空いてる？駅のスタバに来られるか？」

いや、もう少し他の言い方しなさいよ…。

その時、嫌な気配が頭上から漂い始めた。

「え？」

和典はそう言って、携帯を耳から離した。

「上を見ろって、言ってる」

それで私たちは、そろって上を見上げ、2階に通じる螺旋階段の上に、片手をあげている美門の姿を見つけた。

美門はニヤニヤ笑いながら降りてきて、私たちのテーブルのそばに立った。

「おまえらが来る前から、ここにいたんだ」

『ぼっちで？』

「うるさい」

「美門、座れ。社会奉仕団KZは、一時的に探偵チームKZに戻った」

和典と和彦がため息をつき、和臣はそれをにらみながら、相変わらずいばった言い方をした。

「人手がほしいから、おまえの希望を入れて臨時雇いのメンバーとする。その扱いに、不服があるか」

美門はくすっと笑った。

「いいや、ない。臨時でいいよ」

あっさりそう言われて、和臣はおもしろくなさそうだ。

逆らったら逆らったで、もっとすごいことになるんだろうけど。

存在自体が気に入ってないでしょうから。

「アーヤ、ノート見せてやれ」

立花さんが差し出したノートを見て、美門はクッと笑い出した。

「社会奉仕団事件って、どういうネーミングだよ」

「うるさい、臨時雇い。先輩アーヤの仕事に文句をつけるな。だいたい、おまえって役に立つのかよ」

和臣がそう言った時、笑いながらノートに視線を走らせていた美門の顔から、ふっと笑みが消えた。

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