585話 ページ41
まあ、このメンバーに響く言葉じゃないわよね。
立花さんも感じ取ったのか言い直す。
「私のクラスに来たんだけれど、成績いいし、運動神経もいいから、もしかしてKZの力になってくれるかもしれない。戦力として期待できると思うな。あ、名前は、美門翼。美しい門に、翼だよ」
瞬間、和典と和彦が突っ立った。
2人は顔を見合わせてから翼に向き直り、少し恥ずかしそうな笑顔になった。
「オレ、上杉和典だけど」
美門が、驚いたような表情になる。
「ボクは、小塚和彦だよ」
美門は信じられないといったように首を横に振り、それから微笑んで右手を出した。
「そうか。名前は、よく見てるよ」
和典と和彦は、感激したように頬を染める。
代わる代わる、うれしそうに美門と握手を交わした。
「出会えるなんて、思ってなかった」
「ボクもだよ。名前の字、なんて読むのかなって、見るたびに考えてたんだけどね」
そばで貴和が、立花さんに説明している。
「美門翼は、小・中学生全国一斉模試の、トップ10の常連だ。数学で断然トップの上杉や、社会理科を制覇している小塚と違って、全教科で稼ぐタイプ。いつも上位にいるよ。上杉も小塚も、総合では同じような点数で競ってるから、お互いに名前だけは知ってるんだろ」
ふぅん、意外なつながりね。
「ボクたち、探偵チームを作って謎解きしたり、推理したりしてるとこだよ」
和彦がそう言うと、美門は眉を上げた。
「おお、余裕あるじゃん」
和典が、苦笑する。
「だけど今は、社会奉仕団に移行するとこ」
美門は、わけがわからないといったような表情になった。
普通に考えて、意味が分からないものね。
「ま、いいや。おもしろそ。オレも入れてよ」
皆がいっせいに、私と和臣を見た。
すると和臣は姿勢を正し、片手をドンとテーブルについた。
「美門、おまえが入団の希望を持っていることは、よくわかった。これから検討して返事をするから、書記のアーヤに連絡先を伝えておけ。オレたちは今、大事な会議中なんだ。じゃまするな」
すごくいばった言い方。
美門は肩をすくめ、立花さんの前に置いてあったシャーペンを取り上げると、開いていたノートの片隅に、自分の携帯番号を書いた。
「じゃ、連絡してよ」
そういって片手を上げ、さっとテーブルから離れていった。
・・・私だけに見える角度で、嫌みに舌を出して。
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きょっちー(プロフ) - シーエル目つぶしさん» コメントありがとうございます!トップ3なんて…本当に嬉しくて、私もベッド蹴って壁殴りましたwwテスト期間も終わり、やっと更新できて、私も嬉しいです。これからも頑張って、トップを目指します!これからもよろしくお願い致します! (2020年8月6日 22時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
シーエル目つぶし(プロフ) - あの、、、すみません、、、この作品、お気に入りの中でトップ3に入るくらい好きなんですが、めっちゃ更新されてて10秒固まり深呼吸をしてベット蹴って壁殴っちゃったじゃないですか!w (2020年8月6日 21時) (レス) id: 7ab4427546 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 雫さん» ありがとうございます!雫様もテスト、無理をせずに全力を出してきてください。楽しみにしていただいているなか、お休みをもらってすみません。なるべく早く更新できるよう、頑張っていきます! (2020年7月18日 20時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
雫(プロフ) - 私も今期末テスト中です(一緒ですね!)!きょっちーさんが書く物語がとても面白く毎日楽しみにしています^^ これからもっと暑くなるので、熱中症などに気おつけて下さい!もちろん新型コロナウイルスにはもっと気おつけて下さいませ! 応援しております^^ (2020年7月18日 19時) (レス) id: 2ccaeb30df (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 紗奈#さん» ありがとうございます!お待たせしてしまうのは心苦しいですが、頑張ってきます! (2020年7月18日 15時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きょっちー | 作成日時:2020年6月21日 10時