549話 ページ5
『へぇ、それって立花さんは皆に、警察に頼らずに最強の不良たちをつぶせって言いたいのかしら』
私の言葉に、立花さんは少し目をそらした。
『あなた、その不良たちを見たんでしょ。どうだった?強そうなのはいた?』
「…1人いた」
その言葉に、貴和が反応した。
「それって、髪を上半分だけシルバーにしたピアスの男?中学3年くらいの」
立花さんがうなずく。
「新庄って呼ばれてたよ」
和臣が焦れったそうに、貴和に身を乗り出す。
「何だよ、そいつ」
「テスト1つで、最強グループに加入が決まったという男だ。調べてみたけど、見た目以外の情報が一切出てこない。ただ、テスト1つとなるとやっぱり、小野塚や不良たちを引きこむ何かがあると考えた方がいいだろうな」
『そうよね。…で、立花さんは皆にそれと戦えって言うの?あなたは、戦闘部隊に入れるってわけじゃないわよね。無責任なこと言わないでちょうだい』
私の言葉に、立花さんが気まずげに目をそらし、それを見ていた和典は、息をつきながら言った。
「やり方次第だろ。こっちも、武器を用意すればいい。たとえば催眠ガスとか、催涙ガスとかを小塚に作らせて、現場でそれをまくんだ」
和臣が、がっかりしたように肩を落とした。
「そんで涙ボロボロこぼしてるヤツとか、眠そうになってるヤツとかを、オレたちがボコるのか。そんなの、つまんねぇよ。やる気でないし。それくらいなら、警察に任せたほうがましだ」
貴和が笑って、身を乗り出す。
「それなら最初は、オレたちだけで襲撃を阻止するってのは、どう?
小塚にガスを持たせて待機させておいて、いよいよこっちがやられそうになったら、登場してもらうことにする。
ガスを投入しても向こうのほうが優勢だったら、その時点で警察に連絡するってことで、いいんじゃないか」
「ま、いっか」
貴和の意見に和臣が言い、和典や私も同意した。
「じゃ砂原に貼りつくメンバーを決めないと」
「それ、オレがやるよ」
貴和がくすっと笑った。
「そういう役って、だいたいオレだった気がするし」
確かにそうだ。
貴和の尾行技術は、私もすごいと思うしね。
「砂原が動いたら、連絡するから」
貴和がそう言った時、後ろからの気配に振り返る。
和彦が、カフェテリアのドアを開けようとしているところだった。
「遅くなってごめん」
息を荒くしながら、こちらに近寄ってくる。
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きょっちー(プロフ) - シーエル目つぶしさん» コメントありがとうございます!トップ3なんて…本当に嬉しくて、私もベッド蹴って壁殴りましたwwテスト期間も終わり、やっと更新できて、私も嬉しいです。これからも頑張って、トップを目指します!これからもよろしくお願い致します! (2020年8月6日 22時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
シーエル目つぶし(プロフ) - あの、、、すみません、、、この作品、お気に入りの中でトップ3に入るくらい好きなんですが、めっちゃ更新されてて10秒固まり深呼吸をしてベット蹴って壁殴っちゃったじゃないですか!w (2020年8月6日 21時) (レス) id: 7ab4427546 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 雫さん» ありがとうございます!雫様もテスト、無理をせずに全力を出してきてください。楽しみにしていただいているなか、お休みをもらってすみません。なるべく早く更新できるよう、頑張っていきます! (2020年7月18日 20時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
雫(プロフ) - 私も今期末テスト中です(一緒ですね!)!きょっちーさんが書く物語がとても面白く毎日楽しみにしています^^ これからもっと暑くなるので、熱中症などに気おつけて下さい!もちろん新型コロナウイルスにはもっと気おつけて下さいませ! 応援しております^^ (2020年7月18日 19時) (レス) id: 2ccaeb30df (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 紗奈#さん» ありがとうございます!お待たせしてしまうのは心苦しいですが、頑張ってきます! (2020年7月18日 15時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きょっちー | 作成日時:2020年6月21日 10時