571話彩Side ページ27
だけど薫先生が、その転校生と一緒に入ってきた時には、クラス中が目を見張った。
もちろん、私も、言葉がなかった。
「今日は、転校生を紹介します」
教室中がシーンとするくらい、その子は、きれいな顔立ちをしていたんだ。
額や鼻の形も、頬のカーブも完璧に美しくて、そして唇は、ちょっと見、女の子に見えるくらい甘い感じ。
両端が上がっているせいで、普通にしていても、微笑みをたたえているように見えた。
2つの目は、青く見えるほど澄んでいて、その中に凜とした光があって、きらめいている。
それで皆が、ボーゼンと見とれてしまったんだ。
私も。
それまでそんなきれいな男の子を、一度も見たことがなかった。
テレビでも、映画でも、そしてもちろん現実でも。
背は、まぁ普通だったけれど、すらっとしていてバランスがよくて、つまり一見して、カッコいいって感じだった。
「苗字は、美しい門と書いてミカドと読む。名前は翼と書いて、読み方はタスク。美門翼だ」
髪型は、さらっとしたボブで、まつ毛とか長くって、色も白かった。
そのせいもあって、おとなしくて静かそうに見えたんだ。はかなげな感じ、ですらあった。
で、ホームルームが終わって、次の授業の教室に移動する時、佐田真理子が言った。
「あんたたち、バッカじゃないの。あのねぇ、ああいう顔は、カッコいいっていうもんじゃないよ。そういうレベル、越えてるじゃん。ああいうのは、美貌っていうんだよ、美貌っ!」
それで翼は、美貌の美門って、呼ばれるようになったんだ。
翼がいることで、私たちの教室は、まるで花でも飾ったかのように華やかになった。
噂を聞いて、教室をのぞきにくる上級生女子とかもいたりしてね。
もちろん同じクラスの私たちも、折に触れては、チラッチラッと翼に視線を走らせていた。
その中で翼は、あまりしゃべらず、もの静かにしていたんだ。
やってきたその1日だけはね。
ところが、翌日に、皆をびっくりさせるような、事件が起こった。
それが、2つ目のヒーロー伝説。
そもそも翼は、おとなしそうに見えたから、体育系の男子は、ほっとしていたみたいだった。
きっとライバルにはならないだろうって思ったらしい。
クラスには、もう身分制度みたいな成績順の序列ができていて、その上のほうにいる子は誰もが、自分の地位を守りたいって気でいた。
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きょっちー(プロフ) - シーエル目つぶしさん» コメントありがとうございます!トップ3なんて…本当に嬉しくて、私もベッド蹴って壁殴りましたwwテスト期間も終わり、やっと更新できて、私も嬉しいです。これからも頑張って、トップを目指します!これからもよろしくお願い致します! (2020年8月6日 22時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
シーエル目つぶし(プロフ) - あの、、、すみません、、、この作品、お気に入りの中でトップ3に入るくらい好きなんですが、めっちゃ更新されてて10秒固まり深呼吸をしてベット蹴って壁殴っちゃったじゃないですか!w (2020年8月6日 21時) (レス) id: 7ab4427546 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 雫さん» ありがとうございます!雫様もテスト、無理をせずに全力を出してきてください。楽しみにしていただいているなか、お休みをもらってすみません。なるべく早く更新できるよう、頑張っていきます! (2020年7月18日 20時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
雫(プロフ) - 私も今期末テスト中です(一緒ですね!)!きょっちーさんが書く物語がとても面白く毎日楽しみにしています^^ これからもっと暑くなるので、熱中症などに気おつけて下さい!もちろん新型コロナウイルスにはもっと気おつけて下さいませ! 応援しております^^ (2020年7月18日 19時) (レス) id: 2ccaeb30df (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 紗奈#さん» ありがとうございます!お待たせしてしまうのは心苦しいですが、頑張ってきます! (2020年7月18日 15時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きょっちー | 作成日時:2020年6月21日 10時