568話途中まで彩side ページ24
「A、おまえはここだ」
若武が指さしたそこには、座布団が置かれている。
「座布団を置いてやったのは慈悲だ。大人しく座れ」
実は今日は、反省会じゃない。
桜田さんへの尋問会なのだ。
※※※
和臣の怒った表情に、私は大人しくそこに正座した。
「それじゃ、今回のおまえの調査報告、包み隠さず話してもらうぞ」
『えっと、どこから話せばいいかしら?』
「じゃあ、不良に襲われた夜からだ」
本当に最初からね…。
『あの夜、貴和と一緒に家に帰って、紅茶を出したでしょう』
私の言葉に、貴和がうなずく。
「いつもより苦く感じたけど、もしかして…」
『実は、酔い止めを入れていたの。
眠気がかなりひどい即効性のものを。
規定の量は守ったし、その後の貴和の様子もちゃんと見てたわ。
それで眠ってもらってから、メールで呼び出しておいた翔が帰ってきたの。
そして上原家とグループに入っている理由を聞いて、私も協力することにしたのよ。
次の日の会議、先に抜けた私は新庄誠也として[出し子]をしたわ』
皆が驚いたような顔をした。
『もちろんお金を引き出したわけじゃないわ。
バッグに紙を詰めたものを渡しただけ。
ただ、そのバッグに桜田印の盗聴器付き発信器も着けておいたけどね。
発信器でそのバッグの行方を追って、片桐の家にたどり着いたの』
「じゃあおまえは、早々に片桐までたどり着いてたのか」
和典の言葉にうなずき返した。
『立花さんと翔が会うのも、翔からの電話で知っていたわ。で、バレンタイン当日に翔を通じて、小野塚くんに紹介してもらったのよ』
和彦が手を上げた。
「駅でアーヤのカードが張り出されてた時、どこかに行ったみたいだけど、それは?」
『ああ、バッグの発信器から片桐にたどり着いてから、片桐にぶつかる振りをして通勤カバンにも発信器を付けたのよ。
それの電池がもうすぐ切れるっていう知らせが来たから、付け替えに行ったのよ。
私のやってきた調査で、皆が知らない部分はこれで全部ね』
皆はしばらく考えこみ、大きくため息をついた。
「何と言うか…、Aらしいな」
「そうだね。いろいろ危ないけど」
「結局ケガしてるしな」
「上手くいったからいいものの、結構綱渡りだよな」
「さすがAというか…」
…散々な言われようね。
結局、少し皆から怒られてその日は解散。
外に出た時、立花さんが私に歩み寄ってきた。
80人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
きょっちー(プロフ) - シーエル目つぶしさん» コメントありがとうございます!トップ3なんて…本当に嬉しくて、私もベッド蹴って壁殴りましたwwテスト期間も終わり、やっと更新できて、私も嬉しいです。これからも頑張って、トップを目指します!これからもよろしくお願い致します! (2020年8月6日 22時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
シーエル目つぶし(プロフ) - あの、、、すみません、、、この作品、お気に入りの中でトップ3に入るくらい好きなんですが、めっちゃ更新されてて10秒固まり深呼吸をしてベット蹴って壁殴っちゃったじゃないですか!w (2020年8月6日 21時) (レス) id: 7ab4427546 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 雫さん» ありがとうございます!雫様もテスト、無理をせずに全力を出してきてください。楽しみにしていただいているなか、お休みをもらってすみません。なるべく早く更新できるよう、頑張っていきます! (2020年7月18日 20時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
雫(プロフ) - 私も今期末テスト中です(一緒ですね!)!きょっちーさんが書く物語がとても面白く毎日楽しみにしています^^ これからもっと暑くなるので、熱中症などに気おつけて下さい!もちろん新型コロナウイルスにはもっと気おつけて下さいませ! 応援しております^^ (2020年7月18日 19時) (レス) id: 2ccaeb30df (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 紗奈#さん» ありがとうございます!お待たせしてしまうのは心苦しいですが、頑張ってきます! (2020年7月18日 15時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:きょっちー | 作成日時:2020年6月21日 10時