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45話 ページ45

【本当ありがとう、桜田】

『時限装置は解除したけど、エリア設定は解除できなかったの。だから一つ残らず回収してもらってちょうだい』

【わかった。桜田も早くこっちに来てね】

電話を切ってホッと息をつく。

「A君…それに服部君…」

いつの間にか意識を取り戻していた伊東が口を開いた。

「君たちは…、最高の、探偵だ…」

私はみんなを危険にさらし、父さんを傷つけた男に殺.気を乗せた視線を向けた。

『あなたは、最低の人間よ』

伊東は自分をあざけるかのようにふっと微笑むと、それきり動かなくなった。

「死.んだか?」

『いえ、眠ってるだけでしょ』

私たちが動かなくなった伊東を見つめていると、

「おい、君たち大丈夫か?!」

服部くんが呼んだ刑事と救急隊員が現れた。

※※※※

ミラクルランドでは、紙袋にIDが回収されていた。

戻ってきた園子がハンカチを出そうとバッグを探っていると、なくしたはずのIDが出てきた。

「あれ?なくしたと思ったのに…、ん?」

IDの表面には黄色い塗料がところどころについている。

「何だろう、これ。ペンキみたいだけど、どこでついたのかなぁ?」

園子が不思議に思っていると、

「はい、回収回収」

高木刑事に紙袋に入れられてしまった。

「あ、それ」

園子が取り戻そうとしたとき、目暮警部が声を上げた。

「えー、ミラクルランド側の好意で、閉園時間を過ぎてはいるが、一度だけスーパースネークに乗せてもらえるそうだ。みんな、行っておいで」

KZのメンバーはもちろん、トイレから戻ってきた和葉もその知らせに喜んだ。

※※※

『大丈夫、服部くん』

私がたずねると、服部くんは救急隊員に手当てしてもらった足を上げた。

「大丈夫や。こんなんかすり傷や」

服部くんの手当てを終えた救急隊員は、他の隊員が処置を行っている伊東の元へ駆けつけていった。

「そういやアイツ、何でおまえが薊の少女やって特定できたんやろ。友だちもおったんやろ?」

私は服部君の前に人差し指を立てた。

『これよ』

「これって、指紋か?」

『あの部屋の椅子、覚えてるかしら?』

「ああ、部屋の雰囲気に合わへんかったからよう覚えてるわ」

『私も、椅子のひじ掛け部分が気になってたの。多分、ひじ掛けの部分に、指紋認証装置が組み込まれていたんでしょう。それなら、依頼人の目が不自由でも、私を他の子と区別することは可能よ』

「なるほどなァ」

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華菜原 舞衣 - こちらこそです。 (2020年5月27日 12時) (レス) id: 7aa09cf11b (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 華菜原 舞衣さん» こちらでもコメントありがとうございます!コナンが出てこないのは、その立ち位置に夢主ちゃんがいるからです。なので哀ちゃんや少年探偵団、蘭も出ません。KZのみんなと黒木くんがいるので。「らーんっ!」が「貴和ーっ!」になってます。これからもお願いします! (2020年5月27日 12時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
華菜原 舞衣 - うぇ〜いこちらも初コメだ〜いっ警察官でした、も、引き続きがんばれぇい!←毎回キャラ崩壊してる人 PSこれってなんでコナンでてこないの? (2020年5月27日 12時) (レス) id: 7aa09cf11b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きょっちー | 作成日時:2020年5月20日 22時

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