36話 ページ36
そこに女性の姿はなく、奥のドアが開いている。
「後輩の方がクールなようだな。まぁ、そこの二人がいろいろしゃべってくれるでしょう。この盗品だらけの美術館のこともね」
キッドはそう言ってマシンガンの銃口を深山に向けた。
深山の顔から先ほどまでの自信たっぷりな表情は消え失せ、ガタガタと震えながら怯えた目でキッドを見つめる。
すると、キッドはマシンガンを窓に向け、続けざまに撃った。
※※※※
最上階の美術館から銃声が響き、粉々に吹っ飛んだ強化ガラスがビルの前に停まっていたパトカーに向かって降ってきた。
「キッドだ!キッドが現れたぞ!!」
パトカーから飛び出した中森が叫ぶと、刑事たちが一斉にビルに向かって駆けていった。
※※※※
キッドはマシンガンを撃ち続けた。
けたたましい銃声と強化ガラスが砕け散る音が館内に鳴り響き、床には大量の薬莢が落ちていく。
膝まずいた深山は頭を抱え、
「うわあぁぁぁ!」
と叫び続けた。
やがて撃ち終えたキッドは、深山に向かい合って言う。
「本当はもう少し静かな方法を考えていたんですよ。しかし、私の大切な人があの殺.し屋によって傷つけられまして。なので少し荒っぽくさせてもらいましたよ」
キッドはマシンガンを深山の前に投げ捨てた。
「あなたのゲームもこれでゴールだ。それも、最悪のオウンゴールかな?」
キッドの言葉に深山は絶望感に襲われ、ガックリとうなだれた。
背後の扉を叩く音が聞こえる。
「開けろ!警察だぁ!ここを開けるんだ!!」
キッドはふっと微笑むと、マントをひるがえして天窓へ向かった。
そして軽やかにジャンプし、天窓から外へ飛び出す。
悪魔の石像の上に立って地上を見下ろすと、黒いマスタングが裏道を走っていくのが見えた。
キッドは笑みを浮かべ、悪魔の石像から飛び降りた。
瞬く間に純白のカイトが広がり、やがて夜空へ消えた。
※※※
レッドキャッスルに着いた途端、止める暇もなく服部くんは私を背負ってエレベーターまで走った。
『ちょっと、肩を貸してくれれば歩けるわよ』
「おお、すまんすまん」
最上階に上がると、高田が扉を開けて出迎えた。
「ご苦労様でした、服部探偵、A様。依頼人がお待ちかねです」
扉を閉めた高田は、リモコンのスイッチを入れた。
その時見たリモコンで確信を得た。
正面の巨大モニターに、椅子に座った依頼人が映し出される。
「服部探偵、A様がお戻りになりました」
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華菜原 舞衣 - こちらこそです。 (2020年5月27日 12時) (レス) id: 7aa09cf11b (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 華菜原 舞衣さん» こちらでもコメントありがとうございます!コナンが出てこないのは、その立ち位置に夢主ちゃんがいるからです。なので哀ちゃんや少年探偵団、蘭も出ません。KZのみんなと黒木くんがいるので。「らーんっ!」が「貴和ーっ!」になってます。これからもお願いします! (2020年5月27日 12時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
華菜原 舞衣 - うぇ〜いこちらも初コメだ〜いっ警察官でした、も、引き続きがんばれぇい!←毎回キャラ崩壊してる人 PSこれってなんでコナンでてこないの? (2020年5月27日 12時) (レス) id: 7aa09cf11b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きょっちー | 作成日時:2020年5月20日 22時