31話 ページ31
「ちょっとォ、ここは入り口でしょ。出口は隣」
携帯の画面を見ているから、園子さんはこの状況に気づいていないらしい。
「いいからそこどけぇ！！」
男に怒鳴られた園子さんは顔を上げ、男をにらんだ。
「怒鳴ってもダメ！ルールは守って！」
男は園子さんに押され、そのはずみでアーヤから腕が離れた。
その隙にアーヤはこちらに全力で走ってきて、IDのランプも消えた。
「まったくいい年して、こんなルールも守れないって…」
園子さんはぶつぶつ言いながら、ゲートを通った。
ナイフを持った男はポカンと立ち尽くす。
「確保！！」
目暮警部たちが走っていったので男は任せ、オレは園子さんに歩み寄った。
「園子さん」
「あれ？黒木くん！何でここに？」
オレと横一列になるように皆が並んだ。
そして若武が頭を下げて声を上げる。
「ありがとうございました！」
他のメンバーもそれにならう。
「え？え？どういうこと？」
何も知らない園子さんはひたすら困惑しているようだ。
そのとき、別の人混みから女性の勇ましい叫びが聞こえてきた。
そちらに目線を向けると、ショートカットの女性があの男に見事なバックドロップを決めていた。
「すげー…」
男に手錠をかける目暮警部たちの様子から、その女性と後からやって来た若い男性は知り合いのようだ。
こっちの事件は終わった。
手首のIDに目を向けると、時刻は8時を回っていた。
※※※
「桜田。桜田、おい桜田！」
近くで名前を呼ぶ服部くんの声がして、私は目を覚ました。
「おお、やっと気ぃついたか」
『ここは…？』
「タクシーの中や」
重いまぶたを開けると、服部くんの肩ごしに流れる中華街の景色が見えた。
バックシートから体を起こそうとした瞬間、左足に激痛が走り、顔をゆがめた。
「無理したあかん。一応添え木はしてあるらしいけど、骨にヒビが入っとるかもしれん」
その言葉に、鉄橋から落ちたときに橋げたに左足を打ちつけたことを思い出した。
『服部くん、あなたが私を？』
「いいや、白馬や。アイツに呼ばれて行ってみたら、傷だらけのおまえを抱えとったんや」
白馬くんということは、彼が…。
「まぁ、アイツは調べることがあるゆうて、オレが来てすぐにどっかに行ってしもたけどなぁ」
あのとき、橋げたに足を打ちつけたショックで気を失ってしまったが、川に落ちる直前に何かが体を抱えてくれたような気がした。
あれはきっと…。
その時、ハッと我に返った。
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華菜原 舞衣 - こちらこそです。 (2020年5月27日 12時) (
レス) id: 7aa09cf11b (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 華菜原 舞衣さん» こちらでもコメントありがとうございます！コナンが出てこないのは、その立ち位置に夢主ちゃんがいるからです。なので哀ちゃんや少年探偵団、蘭も出ません。KZのみんなと黒木くんがいるので。「らーんっ！」が「貴和ーっ！」になってます。これからもお願いします！ (2020年5月27日 12時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
華菜原 舞衣 - うぇ〜いこちらも初コメだ〜いっ警察官でした、も、引き続きがんばれぇい！←毎回キャラ崩壊してる人 PSこれってなんでコナンでてこないの？ (2020年5月27日 12時) (レス) id: 7aa09cf11b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きょっちー | 作成日時：2020年5月20日 22時
