警察官でした。〜探偵たちの鎮魂歌〜

18話 ページ18

【バーカ、バーカ。無能な警察は消えろ】

そんなメッセージを繰り返す人形の前には子どもたちが面白がって集まってきている。

「おい、やばいんとちゃうか」

『危ない！その人形から離れて！爆発するわ！』

【爆発10秒前、9、8、7】

人形がカウントダウンを始めた。

人形の前にいた親たちは子どもを抱えて走った。

しかし、まだ子どもが一人残っている。

【5、4、3】

私が飛び出そうとしたとき、誰かが私を後ろに投げ、走っていった。

【2、1】

人形の頭から閃光が走り、爆発が起こった。

轟音と共に爆風が突き抜ける。

前の私の死の瞬間がフラッシュバックするが、それよりも…！

やがて煙が消えると、人形の破片が散乱している歩道に、父さんが膝をついて倒れていた。

抱えられていた子どもが父さんの手を抜けて、母親の元へ走っていく。

『父さん！！』

父さんに走り寄ると、まだかすかに意識がある。

『父さんっ、何でっ、』

「ここで、おまえが抜けてどうする。Aなら、必ず皆を助けられる。それに、娘が傷つきにいこうとしてるのを、止めない親なんていないよ」

そう言って意識を失った父さんの体や目を調べる。

火傷や擦り傷はあるが、命に別状はないだろう。

『父さん、事件は絶対に解決する。そして、父さんをこんな目に合わせた犯人も、絶対捕まえてみせる…！』

※※※

窓ガラスが粉々に割れたハンバーガーショップの前に救急車が停まり、父さんが担架で運ばれていく。

すでに店の周囲は封鎖されて現場検証が行われ、爆発音を聞き付けた人たちは不安そうに見つめていた。

『毛利さん、お願いです。父さんについていてくれませんか？』

「それは構わないが、Aちゃんはいいのか？」

『はい。私は仇を取ってきます』

「わかった。しっかし、もう警察ではない桜田が庇いにいって、警察は動けないなんて、最近の警察はなっちゃいませんなぁ」

毛利さんの発言に目暮警部が、毛利さんの胸ぐらをつかんだ。

「君たちのせいでこうなったんじゃないのかね！」

「よしてくださいよ。そんな証拠はどこにもない」

毛利さんは目暮さんの両手を振りほどいた。

「はっきり言って迷惑なんですよ。もうつきまとわないでいただきたいですな」

「何ィ？！」

つかみかかろうとした目暮警部が、ハッと目を見張り、動きを止める。

「刑事辞めて正解でした。Aちゃんたちももう行け」

『はい。では、目暮さん、白鳥さん、またいつか』

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