544話 ページ50
「その結果、腕と度胸があると認められた連中が選ばれて、次のテストに進んだんだ。
そして今度は、忠誠心を試された。怪人Xに、完全服従しているかどうか、言うことを全て聞くかどうかのテストだ。
これは何度にもわたって、繰り返し行われたらしい。
いろんな命令が出たようだけど、オレが会ったヤツの場合は、日曜の昼間に、真っ裸になって駅の周りを一周して、交番の前を走りぬけろって命令だって。
そいつは、そこでリタイヤしたみたいだけど、ちゃんとやり遂げたヤツもいるみたいだ。
最後には、怪人Xが自ら出てきて、課題を出したらしい。
その結果、強くて服従する最強の6人がそろったって話だ。
オレが接触したヤツは、怪人Xとは何度か電話で話したって言ってたから、声の感じを聞いてみたんだけど、中学高学年じゃないかってことだ」
和臣が、意外そうに目を丸くした。
「オレ、大人かと思った。だってタバコを配ってるんだろ。この間、黒木も言ってたけれど、今、中高生がタバコを手に入れるのって、すごく難しいからさ」
貴和が、不敵な笑みを浮かべる。
「この事件の裏には、怪人Xの他に、もう1人誰かがいるんだ。そいつが大人なのさ」
「よくやった、黒木」
和臣が、リーダー風を吹かせてそう言ったとたん、和典の鋭い声が飛んだ。
「急いだ方がいいぜ」
メガネの向こうの切れ上がった目に、よく切れる刃物のような光がまたたいている。
「統計で見ると、この県の振りこめ詐欺の1回の被害金額は、300万から700万だ。これを平均すると、1件あたり500万になる。ここで考える必要があるのは、怪人Xが不良たちに払っている報酬だ。1回あたり、5万だろ。それは、怪人Xの懐に入る総額の1%前後に当たっている」
いかにも、[数の上杉]らしい観点ね。
「今度のデカイって仕事は、報酬が50万だ。それにこの割合を当てはめてみると、これは総額が3億円前後の仕事ってことになる。それだけの金を、不良たちが1度に手に入れられる仕事となると…、強盗しかねーよ。怪人Xは、最強の6人にどこかを襲わせる気なんだ」
「やったぜ！」
和臣が、うれしくてたまらないといったような声で言った。
「ようやく大事件らしくなってきたじゃん。これでテレビや週刊誌が飛び付くぞ」
相変わらずね…。
「アーヤ、おまえが砂原にチョコレートを渡しに行った時、確か不良と一緒だったって言ってたよな。その時のこと、話してくれよ。何か、手がかりが見つかるかもしれないからさ」
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華菜原 舞衣 - うわっ４８分前っありがとうございます！楽しみにしてます。 (2020年5月27日 12時) (
レス) id: 7aa09cf11b (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 華菜原 舞衣さん» コメントありがとうございます！前世ユズリ…お仕事でやっていたんです。前世譲りの知識やテクはこれからも登場します。楽しみにしていてくださいね！ (2020年5月27日 11時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - ひーとさん» コメントありがとうございます！これからは黒木くんの謎がさらに深まるのか、夢主ちゃんが過去を話す日は来るのか、ご注目ください。これからもよろしくお願いします！ (2020年5月27日 11時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
華菜原 舞衣 - 夢主の前世ゆずりのテクって・・・前世でもやってたってこと！？オソルベシ・・・更新、楽しみにしてます。がんばってください。 (2020年5月27日 10時) (レス) id: 7aa09cf11b (このIDを非表示/違反報告)
ひーと - 黒木くんの過去が良い感じに仲を深めましたね〜。めっさキュンキュンします。此れからも楽しみにしています。更新大変だと思いますが、頑張ってください! (2020年5月26日 1時) (レス) id: c8f6957e50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きょっちー | 作成日時：2020年5月20日 19時
