515話 ページ19
そばでビオラのネジを回して弦を調整していた貴和が笑う。
「メンバーが少ないからだ。あきらめてやるんだな」
小塚くんが再び弦を指を走らせながら、立花さんを見た。
「アーヤが主旋律なら、ボクと合わせてみようか」
立花さんは、戸惑いながら言った。
「今、楽譜見たばっかだよ。すぐに吹くなんて無理だし」
全員が驚いたように言った。
「マジっ？」
「普通、初見で吹くだろ」
「ボクたちだって、今見たばっかだよ」
「音符通りに、音を出せばいいだけだからさ」
『難易度もそんなに高くないし、大丈夫よ』
「自信ないけど、頑張るから、ちょっと時間をちょうだい」
立花さんの言葉に、皆で笑う。
「じゃ、アーヤの練習を手伝おう。小塚に音をもらえよ」
立花さんにピアノの傍を譲り、和典はアゴの下にヴァイオリンを挟みこみながら言った。
「合わせてやるよ。早く吹きな」
「ケーキより、ドーナツの方がKZらしいから、そうしたぜ」
和臣が言い、私たちは顔を見合わせてうなずいた。
きっとステキな祝賀会になるわね。
※※※
しばらく練習して、本番は撮影しながらの演奏となった。
ドーナツとクッキーやマドレーヌを食べながら見たそれは、皆とても楽しそうで、かなりいい演奏だった。
私もそのデータを送ってもらった。
祝賀会も和やかな雰囲気で終わり、私は貴和と和典と途中まで一緒に帰っていた。
「じゃあ、オレこっちだから」
『あ、和典。これ、プレゼントよ』
荷物の一つ、小さな鉢植えを渡した。
中身はまだ見えないようになってる。
「サンキュ。じゃあ、またな」
和典は最後、貴和の肩を持って何かボソッと言ってから帰っていった。
「上杉に何渡したの？」
『ニチニチソウよ』
貴和はしばらく考えてから、ふっと笑った。
「それは喜びそうだ」
『どうかしらね』
ニチニチソウの花言葉は、[生涯の友情]。
あの数学オタクが、気づくかしらね？
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華菜原 舞衣 - うわっ４８分前っありがとうございます！楽しみにしてます。 (2020年5月27日 12時) (
レス) id: 7aa09cf11b (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 華菜原 舞衣さん» コメントありがとうございます！前世ユズリ…お仕事でやっていたんです。前世譲りの知識やテクはこれからも登場します。楽しみにしていてくださいね！ (2020年5月27日 11時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - ひーとさん» コメントありがとうございます！これからは黒木くんの謎がさらに深まるのか、夢主ちゃんが過去を話す日は来るのか、ご注目ください。これからもよろしくお願いします！ (2020年5月27日 11時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
華菜原 舞衣 - 夢主の前世ゆずりのテクって・・・前世でもやってたってこと！？オソルベシ・・・更新、楽しみにしてます。がんばってください。 (2020年5月27日 10時) (レス) id: 7aa09cf11b (このIDを非表示/違反報告)
ひーと - 黒木くんの過去が良い感じに仲を深めましたね〜。めっさキュンキュンします。此れからも楽しみにしています。更新大変だと思いますが、頑張ってください! (2020年5月26日 1時) (レス) id: c8f6957e50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きょっちー | 作成日時：2020年5月20日 19時
