507話 ページ11
「DEF家以外にアパートもあるし、佐藤という苗字以外の家に入る可能性もある。
目を話さないようにするのが基本だ。
GPSがあるからって油断するな。
充分、気をつけてくれ。
もし想定外の事態が起こったら、携帯で連絡を」
立花さんが不満そうに和臣を見る。
「何だ、その目は」
和臣に言われて、立花さんが口ごもっていると、貴和がその背中をポンとたたいた。
「携帯の問題だよ」
立花さんは小さく息をついた後、急に真っ青になった。
「私、この間も無断欠席してるし、どうしよう」
一瞬何のことかわからなかったが、そういえば今日も本来は秀明の日か。
和典がニヤッと笑った。
「そいつは、黒木先生の出番だろ」
貴和は、やむをえないといった表情で、携帯電話を取り出した。
「ああ、オレ。塾の欠席届けを出してもらいたいんだ、電話でいいけど、6人分全員、違う人間で頼みたい。これから名前を言うからさ。保護者らしくね。よろしく」
そうして皆の名前を言った。
「これで、大丈夫」
さすが、人脈のエキスパート。
「出てきたよっ！車庫の戸を開けてる」
その時、小塚くんの、押し殺.した声が聞こえた。
和臣が緊張した口調で言った。
「出発前に、時計を合わせよう」
私たちは、袖口をめくって腕時計を見せ合い、時間がぴったり同じであることを確認した。
「では諸君、KZの活動開始だ。健闘を祈る」
※※※
佐藤の車を和典と和臣と共に追跡する。
時々スマホの画面を見てみるが、GPSはきちんと反応している。
実践で使うのは初めての代物だが、どうやら上手くいったようだ。
車はP地点で、右に曲がった。
F家の方向だ。
途中、小塚くんや貴和とも合流し、時おり先頭を交代しながらも、気付かれたような様子もなく進んでいく。
道は途中から細くなり、1車線になって、通る車もほとんどなかった。
そしてついに車は、F家をも通りすぎた。
「ということは、アパートなのか」
「とにかく、このまま行くしかないだろ」
車はどんどん進み、次第に道路の両側から家がなくなり、資材置き場や竹林が多くなってきた。
現れた四つ辻を真っすぐ通り、しばらく走った後に角を曲がり、その道の右側にある1軒のアパートに入っていった。
手前が駐車場になっていて、道路を挟んだ向かいに梨畑が広がっている。
皆は木の間に隠すように、自転車を止めた。
佐藤が入っていった部屋は1階の角部屋で、駐車場との間に立つ塀にさえぎられ、陽の当たらない部屋だった。
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華菜原 舞衣 - うわっ４８分前っありがとうございます！楽しみにしてます。 (2020年5月27日 12時) (
レス) id: 7aa09cf11b (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 華菜原 舞衣さん» コメントありがとうございます！前世ユズリ…お仕事でやっていたんです。前世譲りの知識やテクはこれからも登場します。楽しみにしていてくださいね！ (2020年5月27日 11時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - ひーとさん» コメントありがとうございます！これからは黒木くんの謎がさらに深まるのか、夢主ちゃんが過去を話す日は来るのか、ご注目ください。これからもよろしくお願いします！ (2020年5月27日 11時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
華菜原 舞衣 - 夢主の前世ゆずりのテクって・・・前世でもやってたってこと！？オソルベシ・・・更新、楽しみにしてます。がんばってください。 (2020年5月27日 10時) (レス) id: 7aa09cf11b (このIDを非表示/違反報告)
ひーと - 黒木くんの過去が良い感じに仲を深めましたね〜。めっさキュンキュンします。此れからも楽しみにしています。更新大変だと思いますが、頑張ってください! (2020年5月26日 1時) (レス) id: c8f6957e50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きょっちー | 作成日時：2020年5月20日 19時
